USDA、鶏卵の再パックの禁止を発表


テレビ放映がきっかけに

  米農務省(USDA)は4月17日、USDAが格付けした殻付き卵の再パッ
ク販売を禁止すると発表した。規則の具体的な内容については、今後発表される
ことになっているが、今回の発表は、イースターを前に放映された一つのテレビ
番組が引き金となった。

 米国ではキリストの復活祭であるイースターの日に、いろいろな色彩を施した
ゆで卵などを子供に与える習慣がある。このため、イースターの週には、全米で、
1億個以上の殻付き卵が販売されるといわれている。

 今年のイースターは、4月12日の日曜日に行われたが、これに先立ち、米国
のテレビ3大ネットワークの一つが、鶏卵の鮮度について疑問を投げかける内容
の番組を放映した。この番組は、ある鶏卵業者の殻付き卵の包装工程を隠しカメ
ラで撮影したところ、最大で28日を経過した卵が、再度、洗浄・包装されて出
荷されていたという内容を含んだものであった。


業界は正当性を主張

 これに対し業界団体は、製造から30日を超えない殻付き卵が再包装され、出
荷されることは、USDAの格付け規則でも認められており、品質、鮮度および
安全性について問題がないとの認識を表明した。

 USDAの農業マーケティング局(AMS)が行う殻付き卵の格付けは、業者
の自由意志で選択されており、その内容は、品質規格3種類(AA、A、B)と
サイズ規格6種類(L、Mなど)の2分類からなっている。格付けされた卵には、
USDAのロゴの入ったシールがパックに貼られることになっているが、こうし
たUSDAの認証シールを添付した卵は、小売販売全体の約3分の1とされてい
る。


禁止措置の開始時期は未定

 USDAは、格付けした殻付き卵の再パック販売の禁止措置の実施を、4月2
7日から開始したいとしていたものの、未だ規則案の提示が行われておらず、実
施期日についても未定である。また、USDAの格付けを受けずに流通している
殻付き卵については、今回の措置は適用されないことになる。

 しかしながら、スーパーマーケットの一部には、今回の報道をきっかけに、殻
付き卵の販売および取扱方法を見直す動きなども出始めており、食品全体の安全
性に対する消費者の関心がさらに高まるものとみられている。



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