◇絵でみる需給動向◇
豪州酪農庁によると、97/98年度上半期(97年7月〜12月)のバター等(無水 バターおよびギーなどを含む)の生産量は、前年同期比 7 %増の約 9 万7千ト ンとなった。また、政府の輸出統計による輸出量は、前年度同期比19%増の約5 万 9 千トンと大幅な増加となっている。 95/96年度には、国際価格の記録的な急騰により、主要輸出先であったアジア や北アフリカ諸国の一部で需要が減退し、前年度を30%下回ったものの、96/97 年度以降は生産量・輸出量ともにかなり増加している。それと同時に、生産量全 体に占める輸出量の割合も増加しつつあり、97/98年度では 6 割を超えている。 ◇図:バター生産・輸出量の推移( 7 月〜12月)◇
同期の国別輸出状況をみると、前年同期比24%の大幅な増加となったバターで は、近年輸入を拡大しているロシアが第1位となっており、17%のシェアを占め た。ロシア向けの輸出が拡大している背景としては、同国内の酪農の衰退と、そ れに伴うバター生産の減少が挙げられる。ロシア対外経済貿易省によると、同国 内のバター生産は需要の6割ほどしか満たしていないとしており、これを補う形 での輸入が増加しているものと考えられる。また、同国内において、バターをは じめとする畜産物の価格は、輸入品の方が国産品に比べて安いことも輸入急増の 原因となっているようである。 ◇図:バターの国別輸出割合◇
無水バターおよびギーなどバター以外の乳脂肪製品の輸出も、前年同期比13% とかなり大きく増加している。輸出相手国をみると、伝統的に東南アジア地域が 中心となっており、第1位のタイが19%のシェアを占め、前年同期比21%と大幅 な増加となっている。その他の主要国でもサウジアラビアが3倍、シンガポール が 2 倍となったのをはじめ、フィリピン、インドネシアでも 2 ケタ台の増加と 軒並み増加となっている。 ◇図:無水バター・ギー等の国別輸出割合◇
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