97年、タイの鶏肉輸出は一転して大幅増




97年は前年比16%伸び

 タイ・ブロイラー加工輸出業者協会が取りまとめた97年の鶏肉輸出状況による
と、冷凍鶏肉が前年比11%増の151.1千トン、半調理品を含む鶏肉調製品が同45%
増の41.1千トン、合計では同16%増の192.2千トンと大幅な増加となった。

 この主な要因は、@日本向け鶏肉調製品の輸出が20%を超える好調な伸びとな
ったこと、AEU向けの同製品の輸出が、前年に比べ約3倍に拡大したこと、B
EU向け冷凍鶏肉の輸出が、60%を超える大幅な伸びとなったこと、C日本向け
冷凍鶏肉の輸出は減少したものの、シンガポール、韓国など他のアジア諸国への
輸出が増加したことなどが挙げられる。



主要輸出地域で増加

 地域別の輸出状況をみると、アジア地域では、日本向けの冷凍鶏肉が同6%減
の96.4千トンと減少したものの、鶏肉調製品は同26%増の32.5千トンとなった。
その他の国々への冷凍鶏肉の輸出は、シンガポールが同38%増の6.3千トン、香港
が同76%増の2.4千トン、韓国が同354%増の1.8千トンといずれも大幅な増加とな
った。

 また、EU地域への輸出数量は、冷凍鶏肉が同63%増の38.4千トン、鶏肉製品
品が同236%増の8.4千トンとなり、特に、鶏肉調製品が大幅に増加したことが注
目される。国別でみると、冷凍鶏肉では、ドイツが同43%増の15.8千トン、オラ
ンダが同120%増の15千トンとなったものの、96年、牛海綿状脳症(BSE)の影響
で 8 倍もの増加を示したイギリスへの輸出は、同20%減の3.8千トンと減少した。
また、鶏肉調製品では、オランダが同12倍の4.3千トン、イギリスが同4倍の2.8
千トンと大幅な増加となった。


当分続くとみられる輸出の好調

 こうしたことから、97年における冷凍鶏肉の日本向け輸出シェアは、96年の75
%から大きく低下し64%となった。また、鶏肉調製品の同シェアは、日本への輸
出数量が増加したものの、EU向け輸出の大幅な増加により、96年の91%から79
%へと低下した。しかし、依然として、日本への依存度は高いものとなっている。

 鶏肉業界では、昨年来、香港で発生した鳥の新型インフルエンザに関連して、
EUの中国産鶏肉の輸入解禁が、さらに遅れるものと見ており、タイにとって好
ましい輸出環境は当分続くものとみている。



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