◇絵でみる需給動向◇
タイ農業協同組合省が公表した98年6月の鶏 1 羽当たりの生産費は、51.23バ ーツ(01 バーツ=約3.5円)となり前年同月比12.5%の上昇となった。このうち、 飼料費、薬剤費、燃料費などの変動経費が同12.6%増の50.36バーツ、土地代、施 設管理費などの固定経費が同8.8%増の0.87バーツとなった。 この結果、98年上半期の同生産費は、前年同期比17.3%増の52.17バーツとなり、 変動経費が17.5%増の51.35バーツ、固定経費が同4.2%増の0.82バーツとなった。 その内訳費用をみると、変動経費では、生産費の75%を占めている飼料費が同26 .5%増の38.96バーツ、薬剤費が同20.4%増の1.61バーツ、労働費が同4.7%増の 0.52バーツなどとなった。しかし、前年同期の上昇率が42.3%と高かったひな購 入費は、同11.0%減の8.49バーツとなり、経費の中で唯一低下した。固定経費で は、土地代に変動はなかったが、機械施設費および施設管理費は、同4.5%増の0.39 バーツおよび同4.3%増の0.40バーツとなった。 また、同期における生体鶏1kg当たりの農家販売価格およびバンコク市場にお ける鶏肉(と体中抜き) 1 kg当たりの卸売価格は、それぞれ同19.9%高の29.90 バーツおよび同14.2%高の37.49バーツとなり、生産費の上昇および好調な輸出の 影響を受けて大幅な上昇となった。しかし、バンコク市場における小売価格につ いては、経済の停滞による消費の減退などにより、同5.8%安の48.87バーツに下 落した。
タイブロイラー加工輸出業者協会が取りまとめた98年8月の鶏肉輸出動向(速 報)によると、鶏肉の輸出量は、前年同月比65.5%増の 2 万5,376トンとなった。 このうち、冷凍鶏肉の輸出量は、日本向けが同70.1%増の 1 万2,550トン、EU向 けが同78.1%増の5千40トンと大幅に増加したことなどにより、同70.6%増の1 万9,536トンとなった。また、鶏肉調製品は、日本向けが同27.8%増の3,893トン であったのに加え、EU向けが同140.2%増の1,918トンと大幅に増加したことによ り、同50.4%増の5,839トンとなった。 この結果、 1 月から 8 月までの同輸出量の累計は、前年同期比50.3%増の17 万7,915トンとなり、このうち冷凍鶏肉が同48.8%増の13万9,900トン、鶏肉調製 品が同56.0%増の 3 万8,015トンとなった。 このように今年の輸出は、昨年の総輸出量が11月に17万トンを超えたことを考 えると、通貨下落の恩恵などによりかなりのハイペースとなっている。 タイ・ブロイラー生産費の推移 注:タイ農業協同組合省調べ
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