米国の鶏肉の需給動向


◇絵でみる需給動向◇


○好調な国内消費を受けて、拡大が続くブロイラー生産


 米農務省(USDA)は、 2 月22〜23日に開催された「農業観測会議」において、
2008年までの農業全般の需給に関する長期見通しを公表した。ブロイラー需給に
関する概要は以下の通りである(策定に当たっての前提条件等については、44ペ
ージ参照)。

ブロイラー需給の長期見通し
br-us05.gif (5327 バイト)
 資料:USDA「Agricultural Baseline Projections to 2008」
 注1:重量は可食処理ベース
  2:98年は見込み値、99年以降は予測値


ブロイラーの生産、消費は増加傾向を維持

 ブロイラーの生産量(可食処理ベース)は、引き続き拡大傾向を維持し、2008
年には98年に比べ42.8%増の 1 千 8 百万トンに達すると予測される。このような
生産拡大を支える最大の要因としては、順調な国内消費の拡大が挙げられる。 1 
人当たりの消費量(可食処理ベース)は、98年の38.7kgから2008年には32.3%増
の51.2kgにまで増加すると予測される。ブロイラーなどの家きん肉の生産は、他
の食肉と比較して最もインテグレーションが進展しているが、今回の見通し期間
を通してさらにインテグレーションが進むと予測される。さらなる生産規模の拡
大によるスケールメリットに加え、技術革新などにより、生産コストの増加は物
価上昇率と同程度に抑えられるものとみられる。この結果、@今後もブロイラー
などの家きん肉は他の食肉と比較して相対的に安価であること、A業界による積
極的な市場開発や、家きん肉は脂肪分が少なく簡便な食品であるとのイメージ作
りが続けられることなどから、今回の見通し期間を通して消費が拡大すると予測
される。

◇図:ブロイラーの生産量および消費量◇


輸出見込みは、大幅に下方修正

 一方、ブロイラーの輸出は、経済不振などによるアジア向け輸出の伸びの鈍化
や最大の輸出市場であるロシア向け輸出の激減により、99年まで減少すると予測
される。その後、2000年から輸出は増加に転じるものの、国際市場における競争
の激化などにより、その増加は緩やかな伸びにとどまるものとみられる。この結
果、輸出量は前回見通しと比較して大幅に下方修正されている。2008年のブロイ
ラー輸出量(可食処理ベース)は、98年に比べ45.5%増の295万トンになると予
測される。

◇図:ブロイラーの輸出量◇

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