台湾の豚肉の需給動向


◇絵でみる需給動向◇


○養豚農家戸数、 2 年間で 3 分の 2 に


口蹄疫発生前に比べて33%減少

 行政院農業委員会と台湾省政府農林庁が1月中旬に発表した98年11月末現在の
豚の飼養動向調査によると、養豚農家戸数は、前回調査時点(98年5月末)より
8.9%減少して17,072戸となった。これを口蹄疫発生(97年3月)直前の96年11月
末時点と比較すると32.7%もの大幅な減少となっており、この 2 年間で養豚農家
の約 3 分の 1 が離農したことになる。

 また、飼養規模別に農家戸数の割合を見ると、飼養頭数99頭以下の小規模農家
が、約8千 7 百戸と全体の51.2%を占め、100〜999頭の中規模農家が40.2%、1,0
00頭以上の大規模農家は8.6%を占めるに過ぎず、これらの割合は前回調査とほぼ
同様となった。しかし、96年11月末と比較すると100〜999頭および1,000〜4,999
頭の階層の減少幅は4割近くに達し、減少幅が20%台の他の階層に比べて、規模
縮小や離農がより進んでいる。


主要生産 6 縣で養豚農家の7 割、飼養頭数の 8 割を占める

 台湾では、養豚農家を1,000戸以上有する縣が屏東、雲林、台南、高雄、彰化お
よび桃園の 6 縣ある。これらを合計すると、養豚戸数が12,346戸で全体の72.3%
を占め、飼養頭数が約510万頭で同78.0%を占める。これらの主要生産地域は、大
消費地である台北に近い桃園縣を除けば、いずれも中西部から南西部にかけて分
布している。


多くの養豚農家は模様眺め、規模拡大意向が強まる

 肉豚を100頭以上飼養する農家を対象に行われた今後の飼養規模に関する意識調
査については、7,840戸のサンプルのうち、78%の農家が現在の飼養規模を維持し
たいとしている。また、前回調査では32%を占めた規模縮小の意向を持つ養豚農家
の割合が16%に半減する一方、 2 %と低かった規模拡大の意向を持つ農家が 6 %
に増加している。これは、養豚農家の離農が進む中、多くの農家が慎重に将来の動
向を見極めようとしているのに対して、一部の農家は、98年後半における記録的な 
高水準の肉豚卸売価格に刺激され、今後に向けて飼養規模の拡大を考慮し始めてい
るものと考えられる。なお、1戸当たりの平均飼養頭数は前回調査と比較すると3
頭増加して383頭となっている。

規模別養豚農家の戸数の推移
po-tw05.gif (5833 バイト)
 資料:台湾省政府農林庁「台湾地区養豚頭数調査報告」
  注:( )内は98年5月末との比較

元のページに戻る