USDA、2000年度予算案を発表（米国）

2000年度のUSDA予算総額は約6兆 5 千億円

　米農務省（USDA）は 2 月 1 日、2000年度（99年10月〜2000年９月）予算案を
発表した。これによれば、予算総額（支出ベース）は、552億ドル（ 6 兆 5 千億
円、 1 ドル＝118円で換算）となり、99年度見込額である634億ドル（ 7 兆 5 千
億円）に比べ、13％の減少となっている。

これは、99年度に約60億ドル（ 7 千１百億円）に及ぶ農家緊急支援対策が実施さ
れたことによるものであり、98年度実績と比較すると2．3％の増加となっている。

食品安全性確保対策および環境対策予算を増額

　以下、今回発表された2000年度のUSDA予算案（計画レベル)の概要を紹介する。

　第 1 に、USDAの食品安全性確保対策に対して、食品安全検査局（FSIS）全体
の予算では、99年度に比べ 3 千 6 百万ドル（42億円）増額の 7 億 4 千２百万ド
ル（876億円）が盛り込まれた。FSISは、今後、危害分析重要管理点監視方式（H
ACCP）の内容の改善を円滑に図るとともに、既存の食肉などの検査官388名およ
び新規採用者250名を「消費者安全官」として任命し、農場から食卓までの食品
安全性を確保するため、科学的試験や検査などを行わせていくこととしている。

　なお、USDAが過去何年にもわたり提案しながら、業界団体の強い反対などに
より撤回せざるを得ない状況となっている、食肉、家きん肉および卵の検査費用
の全額を受益者負担とする案については、2000年度もその負担額として 5 億4百
万ドル（595億円）が計上されている。

　第２に、農産物輸出促進プログラムについては、輸出信用保証計画（GSMなど）
として45億ドル（５千３百億円）の予算が充てられる。また、輸出促進計画（EEP）
は 4 億 9 千万ドル（578億円）となっている。一方、99年度において、ロシア向
けなどを中心に大幅に増加予定の食糧援助輸出（PL480）については、090億 9 千
万ドル（ 1 千 2 百億円）となっており、99年度の19億 3 千万ドル（2千3百億円）
と比較してほぼ半減している。なお、市場アクセス計画（MAP）については、前
年と同じ 9 千万ドル（106億円）が充てられる予定となっている。

　第 3 に、環境対策については、土壌保全留保事業（CRP）に対して99年度に比
べ 2 千万ドル（24億円）増額の16億ドル（1千 9 百億円）を充てることにより、
CRPの契約農地を拡大するとしている。また、畜産農家に予算額の半分以上が配
分される環境改善奨励事業（EQIP）については、99年度に比べ 1 億 3 千万ドル
（153億円：72％増）と大幅に増額し、 3 億ドル（354億円）にするとしている。

元のページに戻る