NZの牛乳・乳製品の需給動向


◇絵でみる需給動向◇


○98/99年度上半期のバター輸出は大幅減


乳脂肪製品全体でもかなりの減

 政府の輸出統計によると、98/99貿易年度上半期(98年7月〜12月)の乳脂肪
製品の輸出量は、前年同期を10.7%下回る15万2千トンとなった。

 このうち、バターの輸出量(デイリースプレッドなどを含む、以下同じ)は、
ロシア向けの激減および98年の国際価格がおおむね堅調に推移したことによる輸
入需要の減退から、前年同期を16.6%下回り10万3千トンとなった。一方、無水
バターおよびギーの輸出量は前年度を5.0%上回る4万8千トンであった。

◇図:バターの国際価格および輸出量の前年増減率の推移◇


ロシア向け輸出激減が大きく影響

 このうち、バターの輸出を仕向け先別に見ると、ニュージーランドにとって最
大の輸出先であるロシア向けは、前年同期を47.9%下回る1万9千トンと激減し、
総輸出量に占めるシェアが前年同期から11.3ポイント低下し18.8%へと縮小した。
続くイギリス向けについても、前年同期に比べ12.9%減少し、ロシア向け輸出量
とほぼ同じ水準の1万9千トンとなった。

 ロシア向け輸出は、同国内のバター生産の減少ならびに価格高騰などを背景に
増加傾向にあったが、98年8月のルーブル切り下げを機とする経済混乱をきっか
けに、大幅に減少したとされている。しかし、ロシアでは、バターを食生活の必
需品と位置付け、バターに対する需要は依然強いことから、ニュージーランドで
は引き続き重要な市場として注目している。

 一方、98/99貿易年度上半期において、著しい増加が見られたのはアメリカ向
けで、前年同期の2倍以上の4千トンとなった。米国では、98年5月頃からバター
の国内需給がひっ迫し秋口まで価格高騰が続いたため、大幅な輸出増加につなが
ったとみられている。


無水バターおよびギーは米国向けが3倍超

 無水バターおよびギーの輸出は、バターとは異なり、北米、中東、北アフリカ
などが主な輸出先となっている。98/99貿易年度上半期では、最大の輸出市場で
あるアメリカ向けが前年同期の3倍を超える7千トン、メキシコ向けも21.7%増の
7千トンと、両国向けの伸びが目立った。一方エジプト、アラブ首長国連邦など
中東主要国向けは大きく減少した。この他、ロシア向けは、バターに比べ安価で
あることから需要の増加が見られ、前年同期に比べ25.5%増の1千トンとなった。

乳脂肪製品輸出量(98/99年度上半期)
mi-nz06.gif (5236 バイト)
 資料:Statistics New Zealand

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