USDA、食肉などへのオーガニック認定表示を解禁


USDA、食肉および家きん肉に対するオーガニック認定表示の解禁を官報に掲載

 米農務省(USDA)は、オーガニック認証機関から承認されている食肉および
家きん肉に対し、「○○認証機関により認定されたオーガニック」という表示の
使用を認可することを4月12日付け官報で発表した。食肉および家きん肉につい
ては、認証団体などの飼養基準に基づき、オーガニック食肉として認定を受ける
ことは可能であるものの、その表示を管轄するUSDA/食品安全検査局(FSIS)
は、オーガニックという用語に対する統一的な定義がないことを理由に、米国内
において、"オーガニック"という表示の使用を認めていなかった。

 FSISは、"オーガニック"に代わる表示として、"ホルモンを投与せずに飼育"、
"抗生物質を投与せずに飼育"などの表示を食肉などに認めている。加えて、合成
着色料や合成保存料などの合成物質を含まず、かつ、食用または保存のための最
低限の加工(くん製、冷凍、乾燥など)を施された食肉などについては、"ナチュ
ラル"の表示を認めている。


大幅に遅れる全国オーガニック農産物規則の施行

 一方、米国における統一的なオーガニック規則となる全国オーガニック農産物
規則については、90年農業法の一部として成立した「90年オーガニック食品生産
法」に基づき、USDA/農業マーケティング局(AMS)がその策定を進めている。
AMSは97年12月、ようやくオーガニック規則案の発表にこぎつけたが、遺伝子組
み換え作物や放射線照射などの取り扱いについて、一般からの意見を求めた上で
決定するとしたため、オーガニック認証団体などを中心として大きな反響を呼ぶ
こととなった。USDAに提出されたコメント数は実に28万件にも上り、現在AMS
が規則案の見直し作業を行っているが、最終的に規則が施行されるまでには、相
当の時間を要すると見込まれている。


オーガニック表示の解禁はあくまでも暫定的なもの

 このため、食肉などの生産者は、生産する畜産物にオーガニック認定表示がで
きるよう、オーガニック規則の一刻も早い施行を待ち望むと同時に、FSISに対し
て、全米オーガニック農産物規則が施行されるまでの間、暫定的に"オーガニッ
クとして認定された"旨の表示を認めるよう求めていた。

 FSISでは、今回のオーガニックの認定表示解禁により、200の食肉などの生産
者および44の認証機関から申請があるものと見込んでいる。なお、FSISによれば、
食肉などに対するオーガニックの定義は、今後公表されるAMSのオーガニック規
則案で明確にされる予定であり、今回の措置は、あくまで暫定的なものにすぎな
いとしている。また、食肉などに対しては、オーガニック表示に加え"ナチュラ
ル"の表示を併記することが認められている。

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