NZの牛乳・乳製品の需給動向


◇絵でみる需給動向◇


○好調な生乳生産と乳価の動向


ニュージーランド99/00年度の生乳生産量は大きく増加

 ニュージーランド・デイリーボード(NZDB)の発表によると、99年6月〜2000
年4月の生乳生産量(乳固形分換算)は前年同期比13.4%増の94万3千トンとかな
り大きく増加した。これは、穏やかな天候に恵まれ牧草の状態が良好であったこ
とや国際乳製品市場における強い需要を要因としている。NZの搾乳シーズンがほ
ぼ終了する5月も前年同月の生乳生産を上回ることが見込まれるため、99/2000
年度の最終的な生乳生産量は97万トンに達するとみられており、過去最高の水準
になることが予想されている。

◇図:生乳生産量の推移(乳固形分換算)◇


乳価も好調に推移

 NZDBによると、99/2000年度の生乳価格は、乳製品の一元輸出を行うNZDBか
ら乳業メーカー(酪農協)各社に支払うとされている価格(基本乳価)が乳固形
分換算1kg当たり3.35NZドル(約174円:1NZドル=52円)、これに乳業メーカー
の利益還元分(メーカープレミアム)をプラスした価格3.7NZドル(約192円)が
最終的に生産者へ支払われる乳価(最終乳価)となった。99/2000年度の基本乳
価は、前年より10NZセント(約5.2円)高、最終乳価も12NZセント(約6.24円)
高と、ここ2〜3年では最も高い金額になっている。この背景には、低コスト生産
が可能なNZの乳製品にとって、国際乳製品市場の需要と価格の回復が挙げられる。

◇図:基本乳価と最終乳価の推移◇


2000/01年度も順調な生産・価格動向を予測

 NZナショナルバンクの経済報告によると、2000/01年度の生乳生産は96〜97
万トン、最終乳価は3.75NZドル(約195円)/kgと予測している。ただし、この
予測は、基本的に諸条件が現状のままであった場合の数値である。改善を見込め
る点としては、アジア、南米、中東市場の拡大やEUの介入在庫の減少による輸
出の増加などを挙げている。

 一方でNZDBは、2000/01年度の予測を、強い需要を抱えた市場と望ましい為
替レートが存続すれば利益の上がる経営が続くと、楽観的な見方を示している。
また、乳業メーカーの1つであるニュージーランド・デイリーグループ(NZDG)
は生産者に対し、来年度の最終乳価を4NZドル(約208円)/kgに設定するとの方
針を公表している。

 いずれにせよ2000/01年度も生乳生産と価格は、順調であると予測されており、
酪農家にとっては好ましい状況が続くとみられる。

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