ブエノスアイレス駐在員事務所 浅木 仁志、玉井 明雄
1901年に国営の家畜市場として設立さ れたリニエルス家畜市場。91年の民営化 により、100の仲買人業者により組織さ れたメルカドデリニエルス株式会社が設 立され、同社が市場の運営管理を行って いる。 |
ひとくちメモ アルゼンチンの首都ブエノスアイレス市に立地するリエニルス家畜市場は、年 間約203万頭(99年)の肉牛が取引され、世界でも有数の規模を誇る。これは、 全国のと畜頭数の約17%に相当し、家畜は主に、ブエノスアイレス州およびその 周辺州のと畜業者に買い取られる。また、同市場の取引価格は、同国の肉牛取引 の主流である直接取引における価格決定の基礎となる。 従来、同市場での牛の上場は、取引後直ちにと畜されるもののみに制限されて いた。これは、病気に感染している牛が、家畜取引を通じ、生産現場へ再搬出さ れることを防止する措置であった。しかし、同市場における衛生管理体制の強化 などを背景に、アルゼンチン農畜産品衛生事業団(SENASA)は、99年10月、肥 育仕向けの家畜の取引を許可する趣旨の決議を採択している。これにより、飼い 直しを必要とする肥育牛などの市場出荷が可能となり、生産者にとって取引の選 択肢が拡大した。
市場総面積は約31ヘクタール(うち、 実際使用されているのは約20ヘクタール)。 利用されているペンの数は、競売用、保 留用を合わせ2千6百にも及ぶ。ブローカ ーやバイヤーを含む市場関係者は、約2 千人に達する。 |
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市場の開催日は、月〜金曜日(祝祭日 を除く)で、取引は15〜30頭の群セリ方 式により、生体1kg当たりの価格で行わ れる。セリの時間帯は、朝7時から10時 頃まで。昼の1時には出荷が完了する。 1日の取引頭数は多いときで1万2千頭〜 1万5千頭。 |
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各ロットに平均約20頭の牛が収容され る。牛群は出荷者単位に、品種、年齢、 肉付きにより分類される。かつては豚も 取引されていたが、現在は、牛のみの上 場である。 |
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市場内に数十ヵ所ある重量測定管理室。 市場全体を通じ、約90分で約1万5千頭の 体重測定・管理が行われる。 |
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重量測定機。重量はロット単位に測定 される。 |
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重量測定管理室で入力された測定結果 などのデータは、いったん、市場内部で 処理された後、政府機関、企業、大学、 生産者団体など約70機関をネットワーク した情報網に配信される。 |
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市場の説明をしていただいた荷受業者 センターのマネージャー、クロウセル氏 |
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