ウルグアイの牛肉輸出が大幅増加


牛と畜頭数は、99年9月以降増加傾向が続く

 ウルグアイ国立食肉院(INAC)が公表した統計によると、2000年1〜5月の
同国の牛と畜頭数および牛肉輸出量は、それぞれ前年同期を大幅に上回って推移
した。

 99年の牛と畜頭数は、1〜8月については家畜の保留が進み各月のと畜頭数が前
年を1〜2割下回ったが、9月〜12月については干ばつの影響で牧草が不足し、放
牧を予定していた牛をと畜に回したことなどから、と畜頭数が前年を上回り、通
年では前年比4.4%減の175万頭となった。

 また、2000年1〜5月のと畜頭数は、前年9月からの増加傾向が続いており、前
年同期比19%増の83万4千頭となった。と畜の割合は、雌牛が43%の35万6千頭、
去勢牛が53%の43万9千頭であった。


直近の牛肉輸出は数量、輸出金額とも大幅な増加

 99年の牛肉輸出量(冷凍・冷蔵肉および加工肉。以下同じ)は、ブラジルの通
貨切り下げによる影響などで、冷蔵肉主体のメルコスル(南米南部共同市場)お
よびチリ向けが前年比57%減の4万5千トン(枝肉ベース。以下同じ)と大幅に減
少したが、冷凍肉主体の北米自由貿易協定(NAFTA)地域向けが約2.5倍の7万7
千トンとなったことから、輸出量全体では24万4千トンと5.2%の減少になった。

 2000年1〜5月の牛肉輸出量は、前年同期比40%増の13万2千トンと大幅に増加
した。また、輸出額(FOBベース)は、28%増の約1億7千7百万ドル(約189億4千
万円:1ドル=107円)となったが、1トン当たりの平均輸出価格は8.5%安の1千
339ドル(約14万3千円)であった。


NAFTA向け牛肉輸出の増加続く

 2000年1〜5月の牛肉輸出量を輸出先別に見ると、NAFTA地域向けが引き続き好
調で、前年比でほぼ2倍の5万1百トンとなり、シェアは11.3ポイント上昇し38.0%
となった。輸出国としては、依然として米国(1万8千8百トン)が最大であるが、
カナダ(前年比約2.5倍、1万7千8百トン)およびメキシコ(同約5.2倍、1万3千6
百トン)の増加が顕著である。

 また、日本向けは、6千2百トンで既に99年の年間牛肉輸出量4千7百トンを上回
っている。アルジェリア向けも前年同月の約3.4倍の3千9百トンと大幅増となった。
韓国向けにも2千9百トンを輸出するなど、ウルグアイ産冷凍牛肉市場の広がりが
目立っている。

 一方、これまで主要輸出先であった南米南部共同市場(メルコスル)向けは、
99年に大幅に減少した後2000年にはやや回復したものの、全体のシェアは減少し
ている。また、EU向けやチリ向けは、輸出がNAFTA地域へシフトしたことなどか
ら、それぞれ、前年比23%減の1万7千トン、45%減の3千トンとなった。

 この結果、2000年1〜5月の牛肉の輸出形態では、冷凍牛肉が増加し全体の73%
に達している。

ウルグアイ産牛肉の輸出先の推移
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 資料:ウルグアイ国立食肉院(INAC)
  注:輸出量は枝肉ベース

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