世界の飼料穀物の需給動向


◇絵でみる需給動向◇


○米国、トウモロコシは記録的な豊作を予測


収穫面積、単収とも高水準の予測

 米農務省(USDA)が8月15日に公表した、2000/01(10〜9月)年度の穀物生
産予測によると、米国のトウモロコシ生産量は2億6,300万トン(対前年比9.9%増)
で、これまで最高であった94/95年度の生産量を上回るとしている。これは、収
穫面積が730億59百万エーカー(対前年比4%増)と85年以来最大となると見込ま
れるほか、単位面積当たりの収量が、141.9ブッシェル/エーカーとこれまで最高
であった94/95年度の単収(138.69ブッシェル/エーカー)を上回るためである。
また、コーンベルト東部の気温が平年より低かったにもかかわらず、8月1日現在
の生育状況が例年より成育状況が早いことも今回の予測を裏付ける要素となって
いる。


需給緩和を背景に価格は軟調

 米国におけるトウモロコシの需要量は、近年一貫して増加傾向にあるものの、
記録的なトウモロコシの豊作が見込まれることなどから、2000/01年度期末在庫
量は前年度より増加し、61万トンと87/88年度以来の高水準になるとみられてい
る。こうしたトウモロコシ需給の緩和を背景として、2000/01年度のトウモロコ
シ価格は1.45〜1.85ドル(約 158〜202円:1ドル=109円)/ブッシェルで、99/
2000年度の価格(平均価格は1.80ドル(約196円)/ブッシェル)よりも低い水準
で推移すると予想される。

◇図 米国のトウモロコシ需給◇


高まる世界のトウモロコシ輸出に占める米国の割合

 世界のトウモロコシ輸出量は、米国が全体の67%(99/2000年度)を占め、ア
ルゼンチン、中国、ハンガリーなどが続く。2000/01年度は、米国では増産によ
りトウモロコシの輸出余力が増加すると見られる中、中国の生産量は、北東部で
干ばつが発生したことから生産量が1千3百万トンの減少(前年比10%減)が見込
まれている。また、ハンガリーでも、干ばつに続く高温で生産量が大幅に減少す
ると見込まれている。このため、2000/01年は、価格低下で輸出競争力が増した
米国のトウモロコシ輸出量は、過去5年で最大の5千4百万トン(世界全体の76%)
に上ると見込まれている。

◇図 世界のトウモロコシ輸出量◇

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