資料：ZMP
注：2000年の数値は暫定値
◇絵でみる需給動向◇
2000年のEUの生乳生産量は、前年実績を若干下回ることが予想される中で、バ ターを除く乳製品の在庫量はややタイトな状況になっている。脱脂粉乳など一部 製品については、生産の減少に伴い価格は堅調に推移している。ドイツ市場情報 センター（ZMP）が発表した2000年のEUの主要乳製品生産量（1〜11月）による と、チーズ以外の乳製品生産については、いずれも前年度を下回っている。特に 脱脂粉乳生産の減少が目立っており、消費者の脂肪離れにより需要低下が見られ るバター生産減少の影響を強く反映することとなった。民間調査機関によると、 脱脂粉乳の介入在庫は飼料用を含めすでにゼロとの報告もあり、域内外の需要に 対応できない状況が続いている。また、全粉乳や飲用乳も供給量の減少に伴い減 産が見込まれている。 EU主要乳製品生産量（1月〜11月）
国別の生産状況を見ると、主な乳製品生産国の生産量は対前年同期比で軒並み 減少となった。中でも酪農家の廃業増加に伴い生乳生産量の落ち込むイギリス、 また、畜産環境対策の強化により離農が推進されているオランダでの減少が目立 っている。このように生産量減少に伴い脱脂粉乳の価格は、需要に見合う供給量 の確保が難しいことから、依然として堅調に推移している。脱脂粉乳価格の指標 の1つとなるドイツ工場渡し価格は、2001年2月にキロ当たり4.73マルク（約274 円：1マルク＝58円）を記録し、今年に入り若干の低下傾向がみられるものの18 ヵ月連続して前年同期を上回っている。 EU主要生産国の脱脂粉乳生産量（1月〜11月）資料：ZMP 注：2000年の数値は暫定値
一方、生産が好調なチーズについては、イギリスを除きおおむね増加となって いる。中でも粉乳生産からの切り換えが進むドイツ、デンマークの伸びが大きい。 域内のチーズ消費は、各国でのファストフードやイタリア料理の浸透により、こ こ数年、増加傾向を見せている。年間1人当たりのチーズ消費量は、94年の16.1 kgから99年には17.8kgへと年率にして2％を超える増加を見せている。今後の消 費はやや落ち着くとの見方もあるが、販路拡大など域外需要の高まりが期待され ることから、引き続き乳製品生産全体に占めるチーズ比重の拡大が予想されてい る。 EU主要生産国のチーズ生産量（1月〜11月）資料：ZMP 注1：2000年の数値は暫定値 注2：2000年のイタリアの数値は10月までの合計
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