拡大を続ける南島の酪農産業(NZ)


飼養頭数は大幅増、1頭当たりの乳量は北島を上回る

 ニュージーランド家畜改良公社(LIC)が先般公表した、99/2000年度(99年
6月〜2000年5月)の統計によると、乳用経産牛飼養頭数は、ニュージーランド
(NZ)全体で3,269千頭と約2万頭(前年比0.6%)減少したにもかかわらず、南
島では723千頭と約5万5千頭(前年比8.5%)の増加を記録し、南島の飼養頭数が
拡大を続けていることが示された。

 NZでは、乳脂肪と乳たんぱくを基準に乳代を生産者に支払う方法を採っている
が、99/2000年度の乳用経産牛1頭当たり乳脂肪は、NZ全体で165kg、南島では177
kg、北島では163kgとなり、同乳たんぱくはNZ全体で123kg、南島では134kg、北
島では121kgとなった。また、乳用経産牛1頭当たりの乳量は、NZ全体で3,601リ
ットル、南島では4,246リットル、北島では3,493リットルとなった。好天に恵ま
れたシーズンを反映し、全体的に前年を上回る結果となる中で、1頭当たりの乳
固形分、生乳生産量とも南島が北島を上回る形となった。また、南北の生乳生産
量に占めるシェアも南島が割合を伸ばし推計で約24%(昨年22%)となった。


大規模化が進む南島の酪農経営

 経営規模を見た場合、1戸当たりの平均経産牛飼養頭数は、NZ全体で236頭(前
年比7頭増)と、83年以降安定した増加を示しており、南島347頭(同14頭増)、
北島216頭(同4頭増)と、南島の増頭がNZ全体を引き上げている。また、平均
300頭以上の乳用経産牛を飼養している酪農家戸数は2,785戸となり、初めてNZ全
体の20%を超え、規模拡大がNZの酪農業の流れであることが分かる。ちなみに、
南島のカンタベリー地域では、酪農家556戸の平均経産牛飼養規模が430頭を超え
ている。北島の1戸当たり平均経産牛飼養頭数が216頭であることから、その違い
は歴然としており、南島では、世界的に見ても大規模酪農が行われ、拡大を続け
ている。

 一方、酪農家戸数は、NZ全体で見ると1万3,861戸と501戸が減少しているが、
南島で2,086戸と59戸の増加、北島で1万1,775戸と560戸の減少となっている。


規模拡大を望む北島酪農家は南島へ移入

 これらの結果からも分かるように南島は、生産量および経営規模がともに拡大
している。北島での酪農には地価の高騰などによる規模拡大の制約など限界が見
えつつあることから、規模拡大を望む北島生産者の興味は、豊富な土地資源によ
る規模拡大の可能性を持つ南島への進出に移っている。99年4月から2年間続いて
いたニュージーランド・デイリーグループ(NZDG)の南島への移動制限措置
(モラトリアム)が撤廃されたことは、それに拍車をかけており、来シーズンの
南島の生乳生産拡大に大きく寄与することは間違いなく、実際に多くの移入希望
者が申請を行っているとの報道もされている。南島の酪農生産がNZ酪農乳業界の
将来を決定づけるとも言えることから今後の動向に注目したい。

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