米国の鶏肉の需給動向


◇絵でみる需給動向◇


○ブロイラー生産量は微増、輸出は強含み


生産量はわずかに増加見込み

 米農務省(USDA)によると、2001年9月のブロイラー生産量(可食処理ベ
ース)は、前年同月比8.6%増の115万トンとなった。2001年(1〜9
月)の累計では前年同期比1.4%増の1,056万トンとなった。第4四半期
(10〜12月)もわずかな増加が見込まれており、通年では前年比1.4%増
の1,403万トンと予測されている。


価格が好調なことからひなふ化羽数は増加

 生産の指標となるひなふ化羽数は、5月以降前年同月を上回る水準で推移して
いる。このように増羽傾向が続いているのは、生産コストの低下や堅調な卸売価
格により、養鶏業者がひなふ化羽数を増やしていることが要因とみられる。主要
生産地15州における9月の週ごとのひなふ化羽数は平均して1億7,700万
羽となり、前年同期に比べ3.4%増となっている。

 生産量がわずかな伸びにとどまる一方で、輸出需要は強く、ブロイラーの各部
位の価格は上昇しており、国内では、特にむね肉の価格が堅調となっている。

 こうした状況から、冷凍鶏肉の在庫水準は前年度を下回って推移しており、特
に3月以降は、前年同月と比べて20%以上低い水準で推移している。


輸出は引き続き強含みで推移

 輸出は引き続き好調で、7月の輸出量は、前年同月比17%増、2001年7
月までの累計でも、前年同期比16%増となっている。

 輸出量が堅調に推移している要因として、ロシア向けの輸出量の増加がある。
2001年累計のロシア向け輸出量については、前年比103.2%増となった。
これは、ラトビア(79.3%減)やエストニア(97.5%減)といったバルト
海諸国向け輸出の大幅な減少分を補って余りある輸出量の増加となっている。ま
た、メキシコは引き続き、ロシア、香港に次ぐ第3位の市場で前年比7.6%増
となったほか、グアテマラやコロンビアといった国々への輸出も急速に伸びてい
る。

 しかし、すべての国向けに輸出が増えているわけではなく、輸出量の多い香港
については、前年同期比2.4%減となっている。香港向け輸出の減少は、手羽
先価格の急騰によるものとみられる。香港向け手羽先の輸出は全輸出量の12%
を占めている。

◇図:冷凍鶏肉在庫の推移◇

◇図:ブロイラーひなふ化羽数(対前年増減率)◇

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