豪州の牛乳・乳製品の需給動向


◇絵でみる需給動向◇


○2001/02年度の酪農生産・輸出動向予測


2001/02年度の生乳生産は回復の予測

 豪州農業資源経済局(ABARE)が9月に発表した四半期ごとに行われる需給予
測によると、2001/02年度の生乳生産量は、11年ぶりに前年度を下回っ
た2000/01年度の生産量を1.6%上回る1,072万8千リットルにな
るとしている。これは、前年度の生産者乳価が高値であったために酪農家の生産
意欲が高まっていること、飼養頭数の増加および1頭当たりの乳量の増加が見込
まれることなどを要因として予測されたものである。

 2001/02年度の生産者乳価は、国際乳製品市況が引き続き好調を維持す
ることとスーパーマーケットのプライベートブランド(PB)牛乳向け生乳価格の
値上げが発表されたことから、前年度比9.6%高の1リットル当たり30.9豪
セント(約19円:1豪ドル=60円)と予測されている。

◇図:生乳生産量の推移◇


脱脂粉乳を除く乳製品で増産予測

 2001/02年度の乳製品生産量は、チーズは前年度比3.1%増、全粉乳
とバターはそれぞれ前年度比1.4%、0.6%増と予測されているが、脱脂粉乳
については前年度比0.8%減と予測されている。

 乳製品生産は、一般に、その年の生乳生産量とシーズン始めに行われる輸出契
約に合わせて受注生産されることが多い。ABAREでは、2001/02年度の生
乳生産が若干増加するとの予測のもと、比較的付加価値の高いチーズ、全粉乳な
どの増産予測を行ったと考えられる。

◇図:乳製品生産量の推移◇


さらなる増加が予測される乳製品輸出

 2000/01年度の乳製品輸出額は、前年度比25%増の30億豪ドル
(約1,800億円)と大幅に上昇した。ABAREによると、2001/02年度
の乳製品輸出額も、前年度比6.1%増の32億2,600万豪ドル(約1,9
36億円)とさらに増大すると予測している。これは、バターなど単価の安い乳
製品から単価の高いチーズ、粉乳などへ生産がシフトしていることとこれらの乳
製品の輸出が増加するとの見通しによるものである。

◇図:乳製品輸出額の推移◇

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