NZの牛乳・乳製品の需給動向


◇絵でみる需給動向◇


○好況が予測されるNZ酪農産業


2004/05年度までの生乳生産は増加傾向を維持

 ニュージーランド(NZ)農林省(MAF)が2001年9月に発表したNZ農林業
の短中期需給予測によると、2004/05年度(6〜5月)までのNZの生乳生
産は前年度を上回る増加率を示し、2000/01年度と比べて14.8%増加
するとしている。

 生乳生産量の増加予測の要因としては、経産牛頭数の増加や2000年12月
に南島の新規参入規制が解禁されたことによる南島への酪農家の流入などを挙げ
ている。北島の経産牛頭数は、離農する農家と新規参入する農家の均衡が保たれ
るため、安定して推移するものと予測しているが、南島の経産牛頭数は大きく増
加するとみている。南島における生乳生産が、今後のNZの生乳生産動向に大きく
影響すると考えられている。NZMAFでは、南島の生乳生産における懸念材料とし
て、かんがい用水の不足などを挙げている。

◇図:生乳生産量と生産者乳価の推移◇


乳製品生産も短中期的に好調維持

 このような生乳生産の増加予測を受け、乳製品生産も大きく増加すると予測さ
れている。2000/01年度と比べると、2004/05年度までのすべての
主要乳製品の生産量が増加すると予測されている。特に増加が大きいのはアジア
を中心に需要が見込まれる脱脂粉乳(19.7%増)と全粉乳(18.2%増)で
ある。また、チーズとバターについても14.8%、13.3%といずれも大きな
増加率となっている。

◇図:乳製品生産量の推移◇


平均生産者乳価は高水準の予測

 強い需要に支えられ、2000/01年度の平均生産者乳価は、前年度を32
.5%上回る乳固形分1キログラム当たり5.01NZドル(約251円:1NZドル
=50円)と過去最高を記録したが、NZMAFによると、平均生産者乳価は短中期
的にも高い水準で推移すると予測している。特に、2001/02年度の平均生
産者乳価は、2000/01年度を28%上回る5.15NZドル(約257円)
と記録を更新すると予測している。

 このような平均生産者乳価の増加予測をうけて、NZMAFによる農家経営状況調
査報告では、2001/02年度の酪農家の収益が2000/01年度同様の高
い水準になるとみている(「畜産の情報(海外編)」10月号参照)。このよう
なことから、NZの短中期的な酪農産業は、好調が維持できるとみられる。

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