米国の鶏肉の需給動向


◇絵でみる需給動向◇


○卸売価格は高水準で推移


生産量の増加ペースは鈍化

 米農務省(USDA)によると、11月のブロイラー生産量(可食処理ベース)は、
5ヵ月ぶりに前年同月を下回る0.4%減の115万3千トンとなった。また、
2001年通年は、ふ化羽数の増加に加え、1羽当たりのと体重量の増加などか
ら、前年比1.9%増の1,410万トンになると見込まれている。ふ化羽数、
と体重量は、いずれも前年水準を上回っているものの、近年の伸び率に比べ小幅
にとどまっている。


11月の卸売価格は98年9月以来の高値に

 一方、11月のブロイラー卸売価格(12都市平均丸どり価格)は、前年同月
を大幅に上回る17.9%増の68.7セント/ポンド(189円/kg:1ドル=
125円)となった。これは、98年9月に70.5セント/ポンド(194円
/kg)となって以来の高値である。丸どり価格は、ロシア向けを中心とした好調
な輸出需要を背景に2001年に入り、一貫して前年水準を上回るなど堅調な動
きを示している。11月は、さらに生産量の減少が価格の上昇に拍車をかけたも
のと見られる。USDAによれば、2001年通年でも、59.3セント/ポンド
(163円/kg)と前年水準を大きく上回ると見込まれている。

 部位別では、主要な輸出品目であるもも肉が引き続き、前年同月をかなり大き
く上回る水準で推移しており、11月の卸売価格(ホール、北東部)は、前年同
月比13.2%高の44.0セント/ポンド(約121円)となった。

◇図:ブロイラーの生産量および価格の推移◇


ブロイラー経営は引き続き黒字を維持

 最近のこのような堅調な卸売価格や生産コストの6割を占める飼料コストの低
下などから、2001年(1〜11月)のブロイラー生産で得られる収益(丸ど
り1ポンド当たり:可食処理ベース)は、前年同期比30%高の12.0セント
(約33円)となり、最近では、98年に次ぐ高収益となっている。ブロイラー
経営は、需要の伸びに支えられ、84年以降一貫しての黒字を維持しており、良
好な経営状態を維持しているとみられる。穀物価格の安値は今後も継続し、また、
卸売価格も堅調さを維持すると見込まれることから、引き続き収益を確保するも
のと見られる。

◇図:ブロイラー生産加工業者の純収益◇

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