米国の牛肉の需給動向


◇絵でみる需給動向◇


○第1四半期の牛肉貿易は輸出微増、輸入はやや減



●●●輸出は前年同期比0.9%増●●●

 米農務省(USDA)によると、2002年第1四半期の(1〜3月)の牛肉輸出量(枝肉
重量ベース)は、前年同期比0.9%増の25万9千トンとなった。

 輸出先を国別に見ると、最大の市場である日本は、前年同期比30.3%減の8万2
千トンで、景気の低迷と牛海綿状脳症(BSE)による消費者の牛肉離れで需要が低
迷したことから前年を大幅に下回った。韓国は6万9千トンと堅調な需要を反映し
て前年を大幅に上回った。(87.0%増)

◇図:牛肉の国別輸出量◇


●●●輸入は前年同期比6.2%減●●●

 一方、今年第1四半期の牛肉輸入量(枝肉重量ベース)は、前年同期比6.2%減
の33万4千トンとなった。豪州からの輸入が前年同期比13.7%増の12万トン、穀物
肥育牛肉の最大の調達先であるカナダからが同10.5%増の11万5千トン、ブラジル
からの輸入も53.7%増の1万9千トンと前年同期を大きく上回った。しかし、ニュ
ージーランドからの輸入は同42.6%減の5万8千トン、経済混乱が続くアルゼンチ
ンからは輸送ストや代金決済の停滞などに起因する肉牛の供給不足などにより、
同33.4%減の9千トンと前年同期を大幅に下回った。加熱処理済み牛肉のみの輸出
を行っているブラジルとアルゼンチンとで明暗を分けた結果となった。

◇図:牛肉の国別輸入量◇


●●●輸出入ともに2003年にかけて増加の見通し●●●

 今後の輸出については、日本向けが低調となっている一方、経済成長の見込ま
れる韓国とメキシコ向けが堅調で日本向けの減少分を十分補うと予想されること
から、輸出量の増加は2003年まで続くものとみられる。また、日本の国内需要も
景気の底打ちによって今後1年〜1年半の間に徐々に回復すると見込まれているこ
とも輸出の増加に寄与するとみられる。

 一方、輸入量も2002年通年では、前年比2.2%増、また、2003年も、米国内の経
産牛と畜頭数が引き続き減少することから2002年をさらに上回ると見込まれてい
る。

 USDAによると、2003年には、国内生産量の減少と輸出拡大により、輸出量が生
産量の10%を占めるまでに至ると見込まれている。



元のページに戻る