米国の鶏肉の需給動向


◇絵でみる需給動向◇


○前年同期割れとなった第1四半期のブロイラー輸出



●●●アジア市場の需要減から前年同期比12.4%減●●●

 米農務省(USDA)によると、2002年第1四半期(2002年1〜3月)におけるブ
ロイラー輸出量(可食処理ベース)は、前年同期を12.4%下回る54万6千トン
となった。国別でみると、ロシアについては前年同期比6.4%増の23万7千トン
と引き続き最大の輸出市場となっている一方、日本向けが米国東部数州におけ
る低病原性の鳥インフルエンザ発生による輸入一時停止措置実施などから、前
年同期比53.4%減の9.8千トンと大幅に減少したのをはじめ、香港向けが25.1
%減の7万5千トン、シンガポール向けが29.2%減の4.6千トンと、アジア諸国
向けについては、低調となっている。

◇図:ブロイラーの国別輸出量◇

◇図:ブロイラーの輸出価格◇


●●●輸出価格は上昇●●●

 一方、輸出価格は、タイやブラジルなどの主要輸出国との競争の激化などか
ら低下が続いてきたが、2001年平均で前年比6.5%高の755ドル/トン(93,620
円/トン:1ドル=124円)となった。


●●●2002年通年では減少の見込み●●●

 2002年通年のブロイラー輸出量について、USDAでは、アジア諸国向け輸出が
低調と見込まれることと最大の輸出市場であるロシア向け鶏肉輸出停止の影響
から、前年比2.2%減の246万8千トンとこれまでの見通しを下方修正した。ロ
シア向け輸出の一時停止措置はロシア政府から米国政府に解除を行うことが通
知されたものの、衛生問題の取り扱いなどで今までの水準までに回復するには、
まだ時間を要するとされている。さらに米国各州での鳥インフルエンザの発生
により主要輸出先国でとられた輸入規制も減少の一因とされている。

 2003年については、ロシア向け輸出の回復などにより、前年比7.5%増の265
万3千トンと予測されている。

 なお、USDAの発表している米国産ブロイラーの統計については、2002年5月
発表分から97年にさかのぼって輸出量からモミジを除いてデータが修正されて
いる。USDAによると、連邦検査済みの生産量にはモミジが含まれない一方で、
輸出量には含まれていたことで、国内消費量の数量が低く集計される結果とな
っており、今回見直しが図られた。

◇図:ブロイラー輸出量の推移◇



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