EU委員会のバーン委員、農業および食品部門における「革新」の必要性に言及



「革新」を進める上で、GM作物の認可再開等を求める

 EUにおいては、現在、新たな遺伝子組み換え(GM)作物の認可は停止している
状況にある。このような中、デイビッド・バーン保健・消費者保護担当委員は9月
10日、デンマークのニューボアで開催された非公式農相理事会において、欧州の
食品部門の「革新(Innovation)」に言及し、GM作物の認可再開等を求めた。

 バーン委員は、農業および食品部門の「革新」は、今後数年間、欧州において
多くの関心とエネルギーをつぎ込む必要がある、極めて重要な事項であり、「革
新」は、食品の安全、トレーサビリティ、品質、新製品の開発、そして動物福祉
のそれぞれの分野で欠くことのできないものであると述べた。また、欧州の消費
者は、食品が安全で高品質であること、食品が環境と動物福祉に配慮した方法に
より生産されることを期待していること、幅広い選択の多様性に価値があると考
えていること、さらに、食品の組成や栄養価、出所、ある場合には製造方法など
について、的確な方法により情報を得たいと考えていると述べた。

「革新」の主題は次の4点

 「革新」に関する概要は以下の通り。

〇バイオテクノロジー

  バイオテクノロジーは、より安価・安全で効率的な生産という点で、大いな
  る可能性を有していると認識しており、感情的な抵抗や不十分または偏りのあ
  る情報に基づく不安感により、バイオテクノロジー分野における「革新」が妨
  げられないことが重要である。公衆衛生や環境を危うくするようなことは論外
  であるが、もし、新たなGM作物認可の開始と、いわゆる認可の一時停止(モラ
  トリアム)の終了がなければ、「革新」について理論的に議論する価値はない。
  
〇伝統的食品の保護

  すばらしく、かつ多様な欧州の食文化とそれらの伝統的食品が果たす役割の
  重要性について、欧州の消費者は非常に敏感である。食品衛生規則の改正や、
  共通農業政策の中間見直しが伝統的食品製造業者への支援になるであろう。
  
〇動物福祉

  動物福祉の実施により、製造コストが高まり、これらのコストはEUの生産者
  にとって競争上不利になるとの主張があるが、動物福祉の実施はわずかなコス
  トでできること、このコストのかなりの部分は、動物福祉を考慮した製品であ
  るとの付加価値により取り戻すことができるということが調査により明らかと
  なっている。
  
〇EU拡大

  EUにとって、加盟申請国の抱える約4億2千万ユーロ(約512億円:1ユーロ=
  122円)の食品市場は、「革新」の促進と刺激になるであろう。また、EUは、加
  盟申請国における食品安全性について、厳格な法律の整備や食品流通全体の的
  確な管理を確実なものにさせなくてはならない。


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