米国の鶏肉の需給動向


◇絵でみる需給動向◇


○2002年上半期の鶏肉輸出



● ● ● ロシア向け等の減少から前年同期比17.7%減 ● ● ●

 米農務省(USDA)によると、2002年上半期(1〜6月)における鶏肉輸出量(可
食処理ベース)は、前年同期比17.7%減の105万4千トンとなった。輸出量減少は、
ロシア向けの輸出停止によるところが大きい。ロシアでは、米国での生産段階に
おける安全性の問題などを理由に2002年3月から輸入を停止しており、同国向け輸
出は、前年同期比19.6%減の34万7千トンとなった。さらに、米国の一部の州での
鳥インフルエンザ発生によって断続的に輸入を規制した日本や香港向けの輸出減
も大きな要因となっている。(両国向けはそれぞれ60.7%、12.0%の減少)一方、
メキシコや韓国では、それぞれ8.0%、42.5%の増加となり、他の輸出国への減少
分を部分的に補った。なお、紆余曲折のあったロシア向け鶏肉の輸出停止は、8月
23日に新たな衛生規則などについて両国が合意に達し、5ヵ月ぶりにようやく解除
されることとなった。

◇図:ブロイラー輸出量(上半期)◇


● ● ● 2002年第2四半期の輸出量は、生産量の13.6%にまで低下 ● ● ●


 生産量に占める輸出量の割合は、ロシア向けなどの主要市場への好調な輸出に
より増加し、最近では2割近くを占めるようになってきていたが、2002年に入って
からは輸出の減少で、その割合は低下している。2002年上半期では14.4%、第2四
半期だけを見ると13.6%と99年にロシアでのルーブル切り下げにより、対ロ輸出
が激減して以来の低い割合となっている。 

 1〜8月の生産量は、前年同期比3.8%増の982万2千トンとなった。この要因とし
ては、処理羽数の増加に加え、安価な飼料価格を受けて1羽当たりと体重量が増加
したことが大きい。2002年通年では、ロシア向け輸出の回復が期待されるものの、
国内では他の食肉との競合により、また、海外では一部の輸出相手国での経済低
迷により、それぞれ需要の減退が見込まれることから、伸び率は鈍化するものと
見られている。

◇図:鶏肉輸出量の推移(四半期ごと)◇


● ● ● 輸出の落ち込みから、もも肉の卸売価格が低下 ● ● ●

 輸出量の増加に伴い、2000年1月以降、米国内の卸売価格は強含みで推移してき
た。しかし、2002年はロシアや日本等主要市場の輸入制限などから、輸出の主要
品目であるもも肉の卸売価格は、4月以降前年同月を10%以上下回って推移してい
る。8月は、前年同月比31.4%安の100ポンド当たり31.8ドル(1キログラム当たり
約83円:1ドル=119円)となった。こうした状況に加えて、中西部を中心とした
干ばつにより、トウモロコシ価格が上昇しており、養鶏経営における収益の悪化
が懸念され始めている。

◇図:ブロイラーの輸出量と国内価格◇




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