イギリスがオーガニック食品支援のための行動計画を公表  ● E U


行動計画、オーガニック食品市場の拡大が目的

  イギリスにおけるオーガニック市場は近年、年間30〜50%の割合で急速に拡大
しているものの、食品全体における割合はいまだ小さい状況にある。

  一方、オーガニック農業が環境にとって有益であることや、多くの消費者がオ
ーガニック農産物に価値を認めていることなどから、イギリスにおけるオーガニ
ック食品および農業部門の持続的な発展のため、環境・食料・農村地域省(DEFRA)
は、21項目の行動計画(Action Plan)を公表したところである。

  この計画の重要項目としては、有機農業計画(Organic Farming Scheme)の
強化、新たな調査基金の設立、および同国オーガニック食品市場の発展のための
生産者と多数の小売店による取り組みを挙げている。なお、この行動計画は、政
府だけではなく、小売業者を含む食品流通関係者の協力により策定された。

国産オーガニック食品のシェア上昇や諮問委員会の設置、生産者支援などを掲げる

この行動計画の概要は以下の通り

・同国のオーガニック市場に占める国産の割合(3割)を従来の方法による農産物
  市場の国産の割合(7割)と同程度とすることを目標とする。
  
・オーガニック食品と農業に関する新たな諮問委員会を2003年4月に創設し、オー
  ガニック食品の認証団体の承認や、行動計画の実行に関して大臣に助言する。
  
・他国の生産者と競争する同国の生産者を効果的に支援するための取り組みを行う。
 (すべてのオーガニック食品の認証団体が、EU規則に基づいた証明書を提供する
  こと等)
  
・行動計画の策定に参画した小売業者が、オーガニック市場における同国産オーガ
  ニック生産物のシェアを拡大させるための機会を設定する。
  
・政府によるオーガニック食品などの持続的な調達を促進する。

・DEFRAが、オーガニック部門の調査を支援するための予算を確保する。

・環境保護的な農法への転換を完了したオーガニック農家への暫定的な助成を継続
  するため、既存の有機農業計画を修正する。

 なお、イギリスの農業者団体は、この行動計画が、オーガニック農家と小売店の
パートナーシップをより強めることとなるものとして支持しているものの、農家へ
の支援水準が他のEU諸国に比べ、低いと指摘している。
  

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