アルゼンチン、有機製品の輸出量が増加


2001年のアルゼンチンにおける有機生産の主な特徴

 アルゼンチン農畜産品衛生事業団(SENASA)の発表した「2001年におけるアル
ゼンチンの有機生産の状況」によると、2001年の主な特徴は、以下の通りである。

@ 有機製品(有機農畜産物および加工製品)生産の主要目的は輸出であり、主
  な輸出先はEU諸国(有機農産物の輸出量47,993トンのうち8割の38,473トンが
  EU向け)であること
  
A 有機製品の生産について、植物性の製品は高い成長率を示したが、動物性の
  製品で成長したのはハチミツであること
  
B 有機製品として認定を受けるために調査対象として登録した施設の増加率は、
  近年に比べ鈍化していること
  
C 有機農畜産物の認定収穫面積は増加していること

D 主としてパタゴニア地域における有機牧羊生産の施設の増加により、畜産に
  使用する面積が増加していること
  
E 大豆、トウモロコシ、パン用小麦などの穀類および油脂植物、ナシ、リンゴ
  などの果実、タマネギその他の野菜など、輸出が大きな比重を占める有機農産
  物は、その比率を維持していること
  
F 提供される有機加工製品の種類が増加していること

G 有機の砂糖、果実ジュース、ワインが大きく増加していること

が挙げられている。

有望な輸出市場である日本向けのセミナーを実施

  有機農産物等の輸出量は、前年比60%増とかなり伸びているが、反面、牛肉は
72%減少している。これは、アルゼンチンにおいて、2001年3月に口蹄疫が発生
したことから、EUなどが輸入禁止措置を講じたためである。

  有機農産物等の輸出が増加傾向で推移するなか、アルゼンチン外務省輸出振興
局主催で8月6日、日本に有機製品を輸出するためのセミナーが開催された。セミ
ナーでは、日本の有機JASマークを取得し、日本へ輸出するためには、企業はJAS
マーク取得手数料や有機製品認定に係る検査官旅費等に約6,600ドル(約79万円:
1ドル=119円)の経費が必要になることなどが紹介された。2001年において、日
本へはマテ茶、カミツレ茶などの有機栽培茶が445キログラム輸出されているの
みであるが、アルゼンチンでは、日本をEU、米国と同様に世界の有望な市場とし
てとらえているようである。


 アルゼンチンの有機農畜産物の生産

 資料:SENASA集計
  注:農産物等には穀物、油糧種子、果物、野菜、工芸農作物、加工製品など
       を含む。畜産物には、ハチミツ、生体家畜、鶏卵は含まない。各数量は
       製品ベース(ただし、2000年の牛乳・乳製品は有機認定生乳量ベースで
       あり、約1割程度が製品となったとSENASAは推定)。




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