2001年度の米国食肉会社ランキング  ● 米 国


タイソン・フーズ社、IBP社の買収で一気に1位に

 先ごろ、米国の食肉業界誌である「ミート・アンド・ポルトリー」において、
通算24年目となる食肉産業各社の販売額に基づくトップ50社のランキングが発表さ
れた。

  これは2001年度の結果によるもので、「企業合併・買収」という見出しが記事の
冒頭を飾ったように、前年4位のタイソン・フーズ社(本社アーカンソー州)が前年
2位のIBP社(本社ネブラスカ州)を買収したことにより、同社の販売額が前年度比
235%増の240億ドル(2兆8,560億円:1ドル=119円)に達し、一気に1位となった。
前年1位だったコナグラ・フーズ社(本社ネブラスカ州)は、牛肉部門の不振をてい
豚・家きん部門で補い、前年度比9%増の約217億ドル(2兆5,823億円)で2位となっ
る。なお、同社は今年5月、食肉加工(牛・豚)部門を切り離し、投資会社への売却
に合意しており、9月中に売却手続きが完了することとなっている。

  以下の顔ぶれは昨年同様となっているが、3位となったエクセル(カーギル社の100
%子会社)社は、タイラーパッキング社ほかの買収などから、前年度比20%増の120
億ドル(1兆4,280億円)、4位のスミスフィールド・フーズ社(本社バージニア州)
はパッカーランド社ほかの買収などから、前年度比45%増の74億ドル(8,806億円)
となり、企業買収がランキングを左右する結果となっている。なお、今回5位にラン
クされたファームランド・フーズ社(本社ミズーリ州)の親会社であるファームラ
ンド・インダストリー社は本年5月末に米国破産法第11条の適用を受け、資産売却が
進められているが、ファームランド・フーズ社については現状のまま運営されてい
くもようである。なお、ファームランド・インダストリー社は、米国最大の生産者
協同組合組織である。

今後の企業買収のさらなる進展は不透明

 このような企業買収が繰り返される背景には、@規模拡大を図ることでスケー
ルメリットによるコストダウンにつながること、A大手スーパー・マーケット・
チェーンなどは、仕入れコスト低減を図るため、規格のそろった商品(ブランド)
を少数のサプライヤーから安定的かつ大量に仕入れる傾向にあるが、これに対応
できること、B各部門(牛、豚、家禽など)の弱点が補完されることになり、消
費性向の変化に企業全体として柔軟に対応できることなどが考えられる。


  今後は、食肉輸出量の減少や米国経済の停滞が懸念される中、企業合併・買収
がこれまで以上に進展するかどうかは不透明であると同誌は述べている。

         2001年度の上位5社





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