EUの牛肉の需給動向


◇絵でみる需給動向◇


○2003年には減少が見込まれるフランスのと畜頭数


● ● ● EU15カ国と畜頭数、2002年は4.3%増 ● ● ●

 EU統計局(EUROSTAT)によると、2002年のEU加盟15カ国の牛のと畜頭数は、
前年比4.3%増の2,740万頭と予測されている。これは、EUにおける牛のと畜頭
数は、2000年末の牛海綿状脳症(BSE)問題の再燃や、口蹄疫の影響で需要が
弱まり、消費が減退したことから減少し、その後は、EU委員会による需給対策
の実施などにより、2002年には、2000年と同じ水準まで回復するとみたもので
ある。2000年との比較では、0.2%の減少になっている。

 国別に見ると、2001年は、フランス、スペイン、オーストリア以外のすべて
の国で前年を下回ることとなった。2002年は、ドイツ、オーストリア、フィン
ランド以外のすべての国で前年を上回っている。

EU15カ国のと畜数

資料:EU委員会
 注:2002年は速報値


● ● ● フランスのと畜頭数は4.6%増加 ● ● ●

 フランスは、EUにおける最大の牛肉生産国であり、2002年のと畜頭数は、EU
15カ国合計の26%を占めている。フランス農業漁業省の統計機関であるAgrest
eによると、2002年のと畜頭数は、前年比4.6%増の739万1千頭と、2001年に引
き続き増加すると見ている。カテゴリー別に見ると、経産牛同7.3%増の205万
2千頭、未経産牛同23.1%増の73万頭、雄牛同3.1%減の202万頭、子牛同5.2%
増の258万9千頭となり、雄牛を除き増加する。これらから、2002年11月末現在
の飼養頭数は、乳牛は、前年同期比1.5%減の413万3千頭、肉牛は、同2.8%減
の408万4千頭と見込まれている。2002年のと畜頭数の増加は、生産基盤の回復
によるものではないとみられる。


● ● ● 2003年のと畜頭数は減少 ● ● ●

 一方、2003年のと畜頭数は、前年比5.5%減の698万3千頭になると予測され
ている。カテゴリー別に見ても、すべてのカテゴリーにおいて減少が見込まれ
ている。これにより、2003年のフランスの飼養頭数は増加するものと思われる。

フランスのと畜頭数の推移

資料	:Agreste
 注	:2002年は暫定値、2003年は予測値

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