米国の牛乳・乳製品の需給動向


◇絵でみる需給動向◇


○酪農家総戸数は減少が続く


● ● ● 総戸数は10年で4割減 ● ● ●

 米農務省(USDA)によると、2002年の酪農家戸数は、前年比5.7%減の9万2
千戸となった。酪農家戸数は、一貫して減少を続け、過去10年間で41.5%減少
した。地域別に見ると、伝統的酪農地帯である北東部から中西部にかけての諸
州に多く分布し、上位5州(ウィスコンシン、ペンシルベニア、ミネソタ、ニュ
ーヨーク、オハイオ州)で全米の総戸数の51.2%を占めている。特に生乳生産
量が全米第2位のウィスコンシン州(生乳生産量全体の15.1%を占める)では、
飼養頭数が100頭未満の農家が83.7%を占めるなど、小規模な経営が中心とな
っている。一方、最大の生乳生産量(全体の約23.8%を占める)を誇るカリフ
ォルニア州では、2002年の全米の戸数に占める割合はわずか2.7%に過ぎなか
った。

◇図:酪農家戸数と1戸当たり飼養頭数◇


● ● ● 1戸当たり飼養頭数は引き続き増加 ● ● ●

 これに対し、1戸当たり飼養頭数は、経産牛頭数の減少割合が酪農家戸数の
減少割合に比べて小さいことから、毎年着実に増加しており、2002年は、前年
比6.3%増の1戸当たり99.4頭となった。経産牛の飼養規模別に見ると、「50頭
未満」が全体の48.1%と、依然として小規模酪農家が半数近くを占めている一
方で、「200頭以上」の飼養戸数では、全体の8.8%であるが、飼養頭数では53
.4%と過半を占めており、規模の拡大が進展している。州別には、カリフォル
ニア州の1戸当たり658頭に対し、ウィスコンシン州が同71頭となっている。


● ● ● 生乳生産は大規模層へ集中 ● ● ●

 飼養規模の拡大に伴い、大規模経営の生乳生産シェアが拡大している。93年
に36.3%であった「200頭以上」の生乳生産シェアは、2002年には、59.4%ま
で拡大したが、「50頭未満」のシェアは93年の17.2%から2002年には7.6%と
縮小した。カリフォルニア州では、2002年における「200頭以上」の生乳生産
の97.0%を、「500頭以上」で80.0%を占めた。

◇図:飼養規模別生乳生産シェア◇

元のページに戻る