カナダのBSE発症牛はサスカチュワン州産と断定


カナダ食品安全庁はBSE発症牛の生産地をサスカチュワン州の農家と断定

 カナダ食品安全庁(CFIA)は10月3日、5月20日にBSE発症牛であることが確認されたアンガス種雌牛の生産農家を当初から有力視していたサスカチュワン州の農家と断定したと発表した。この牛については、農家の証言と父系のDNA鑑定結果が異なったことから出生地の確認が難航し、サスカチュワン州とアルバータ州内の農家について調査が継続されていた。

 今回発症牛がカナダ産であると結論付けられたことにより、6月2日にCFIAが公表した調査結果から調査が一歩前進したことになる。

メキシコはカナダからの牛肉および牛肉製品の輸入条件を決定

 メキシコ政府は10月1日、カナダからの牛肉および牛肉製品の輸入のための動物検疫条件を決定したと公表した。カナダとメキシコ政府間では既に8月13日に30カ月齢未満の牛骨なし肉等の輸入を再開することについて合意に達していた。今回の輸入条件により、30カ月齢未満の牛から生産された骨なし肉、内臓(心臓、肝臓、舌および腎臓)、牛肉加工品および牛脂について輸入が認められる。また、米国から既に輸入が条件付で認められている骨なし肉およびその加工品については、メキシコ向けの輸出であることを明記することを条件に米国経由での輸出を認めることについても米国の衛生当局と合意した。なお、生体については検討中である。

 カナダからメキシコには2001年には、6万9千トンの牛肉等が輸出されており、輸出量の14%を占め、米国(73%)に次ぐ第2の輸出先となっていた。



カナダビーフ輸出連合会は輸出再開を歓迎

 カナダビーフ輸出連合会は、10月1日「深く感謝するとともに市場アクセスが得られた業界関係者を祝福したい。近いうちに意味のある数量の牛肉が米国およびメキシコに輸出されることを期待する。今週あるいは来週始めには、米国経由でメキシコへ相当量のカナダ産牛肉の輸出が開始されると期待している」とのコメントを公表した。

 同協会は、9月より主要市場への輸出再開をにらみ、メキシコおよびアジアの市場に対し、輸入者、卸売業者、スーパーマーケット、レストランに対する販売促進のための活動を行っていた。また、同協会はカナダ農業食品省より前年比50%増の220万カナダドル(約1億8千万円、1カナダドル=84円)、チェックオフ資金から210万カナダドル(約1億8千万円)、アルバータ州政府から180万カナダドル(約1億5千万円)をそれぞれ受けており、これらを原資に今年度の活動を進めていくとした。

◎ 腸管出血性大腸菌O157には牛への抗菌剤やワクチンの投与が有効

 コロラド州立大学は、このほど腸管出血性大腸菌O157への牛への2種類の抗菌剤および1種類のワクチンの投与による効果に関する研究成果を公表した。

 この研究は牛肉のチェックオフ資金による助成を受け、2003年3月から5月にかけてコロラド州のフィードロットで実施された。実験に供された3種類の薬剤の単独投与又は併用により、糞又は皮膚からの腸管出血性大腸菌O157の検出率の明らかな減少が見られたとしている。

 米国肉用牛生産者・牛肉協会(NCBA)は、「この研究によりO157との戦いに新たな可能性が開かれた」と評価している。


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