EUの牛肉の需給動向


◇絵でみる需給動向◇


○96年以降減少するEUの牛飼養頭数


● ● ● 13ヵ国で前年同期比2.1%の減少 ● ● ●

 EU委員会は、2002年6月のポルトガルとギリシアを除くEU13ヵ国
の牛の飼養頭数を発表した。13ヵ国の総飼養頭数は、前年同期比2.1%減の7,9
15万7千頭となった。EU15ヵ国でみても、96年以降、減少傾向で推移しており、
2002年6月時点でも、前年同期を下回っているとみられる。

EU13ヵ国の牛飼養頭数

資料:EU委員会
 注:ベルギーはルクセンブルクを含む


● ● ● スペインとオランダを除いて前年同期を下回る ● ● ●

 飼養頭数を国別にみると、スペインとイタリアを除く国で、前年同期を下回
っている。中でも前年同期比6.0%減と顕著なのがオランダで、2001年には口
蹄疫の影響で制限されていた生体牛の輸出が、2002年に入って増加したことが
要因の1つと考えられる。また、飼養頭数が最大のフランスも、口蹄疫の影響
で出荷が滞留していた牛のと畜が進み、2002年には前年同期比2.6%減と減少
している。フランスに次いで牛飼養頭数の多いドイツは、飼養農家戸数の減少
に伴い、飼養頭数も前年同期比3.7%減と減少している。2002年のドイツの牛
飼養農家戸数は、前年比4.3%減の20万8,100戸となっている。


● ● ● 2002年のと畜頭数は2000年の水準まで回復を予測 ● ● ●

 また、EU委員会によると、2002年のと畜頭数は、牛海綿状脳症(BS
E)や口蹄疫の影響でと畜頭数が少なかった2001年を上回り、前年比4.3%増
の2,740万頭と予測している。これは2000年のと畜頭数とほぼ同じ水準であり、
これに伴い2002年の牛肉生産量も増加を予測している。さらに、2003年のと畜
頭数についても、前年と比較してわずかな減少を予測している。

EU15ヵ国のと畜頭数

資料:EU委員会
 注:2001年は速報値、2002、2003年は予測値

元のページに戻る