◇絵でみる需給動向◇
米農務省(USDA)は、9月1日現在のトウモロコシ在庫量を発表した。これに よると、在庫量は前年同期比32.0%減の2,758万トンとなった。近年の在庫量 の動向を見ると、低水準であった96年(1,082万トン)を底に2001年までおお むね増加傾向となり、その後減少が続いている。内訳を見ると、農場在庫が前 年同期比17.4%減の1,232万トン、農場外在庫が同40.5%減の1,526万トンとな っている。 なお、この在庫量は、2002/03年度(9〜8月)の総消費量(国内消費+輸出 量)の約11%に相当すると見込まれる。
トウモロコシ在庫量の推移 |
資料:USDA 「Feed Outlook 」,「Grain Stocks」 |
在庫減少の主な要因には、生産量の減少が挙げられる。2002/03年度(9〜8 月)の期首在庫は、前年同期比15.9%減の4,055万トン、生産量は前年度比5.3 %減の2億2,880万トンで、輸入量は増加したものの、供給量は全体で6.9%(2, 012万トン)の減少となった。 また、同年度の需要を見ると、国内消費は飼料用が好調であったことから、 前年度比1.2%増の2億345万トンとなった一方で、輸出が同16.0%減の4,064万 トンとなった。全体としては需要が供給を上回ったこともあり、在庫が減少す る結果となった。
USDAが9月15日に発表した需給予測によると、2003/04年度の生産量は収穫 面積および単位面積当たり収穫量がいずれも前月の予測を下回ることから、前 月から3,049万トン下方修正し、2億5千3百万トンと見込まれている。これは、 前年度の生産量(2億2千9千万トン)を10.4%上回っており、依然として記録 的な豊作が予測されている。 なお、9月29日現在の米国産トウモロコシの生育状況(主要18州)は、成熟 率が79%(前年同期は80%)、収穫率が18%(同19%)となり、前年をわずか ながらも下回るペースとなっている。
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