米国の鶏肉の需給動向


◇絵でみる需給動向◇


○卸売価格が堅調に推移


● ● ● 2003年1〜9月の生産量は前年比0.3%増 ● ● ●

 米農務省(USDA)によると、2003年1〜9月のブロイラー生産量(可食処理ベー
ス)は、前年同期比0.3%増の1,109万1千トンとなった。また、2003年通年で
は、1羽当たりのと体重量増加するもののふ化羽数の減少によりほぼ前年並み
と見込まれている。

 また、9月の生体の生産者販売価格は前年同月比20.0%高のポンド当たり36
セント(キログラム当たり88円、1ドル=112円)となり今年2月以降、前年同
月を上回り推移している。
生産者販売価格の推移
資料:USDA/ERS「Livestock, Dairy and Poultry Situation and Outlook」

● ● ● 冷凍鶏肉の在庫量減少 ● ● ●

 一方、2003年1〜9月の冷凍鶏肉の在庫量は、前年同期比20.4%減の265万5千
トンとなった。月ごとに見ると2003年2月から前年同月を7カ月連続で下回って
推移し9月には前年同月日26.3%減の28万1千トンとなった。
冷凍鶏肉在庫の推移
資料:USDA/ERS「Livestock, Dairy and Poultry Situation and Outlook」

● ● ● 卸売価格は堅調に推移 ● ● ●

 
 これらを受けて、ブロイラーの卸売価格(12都市平均丸どり価格)は、2003
年1月から前年同月を上回って推移しており、2003年9月は前年同月比14.4%高
のポンド当たり63セント(同155円)となった。部位別に見ると、国内需要の
大きいむね肉(ボンレス、北東部)は同22.2%高のポンド当たり175セント
(約432円)となり、国内需要の堅調さがうかがえる。また、主要な輸出品目
であるもも肉(ホール、北東部)は2003年7月から前年同月を上回る水準で推
移しており、9月の卸売価格は、同13.1%高のポンド当たり37セント(同91円)
となった。今年上半期は、最大の輸出先であるロシアの関税割当問題の決着の
遅れや衛生条件による輸入制限、米国国内の2002年に確認された鳥インフルエ
ンザの発生による日本等の主な輸出先の輸入禁止措置などによる輸出の不調を
反映し、もも肉は低調に推移していたが、下半期に入りそれらの状況が終息す
るに従いもも肉の需要が回復したものと考えられる。

 USDAによると2003年の輸出量は前年比5%増加と見込んでおり、今後も年
末に向けて生産者販売価格の上昇や冷凍鶏肉在庫量の減少による品薄感によ
り卸売価格は堅調に推移すると考えられる。(上図参照)

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