豪州の牛乳・乳製品の需給動向


◇絵でみる需給動向◇


○2002/03年度加工向け生乳量は、かなりの程度減少


● ● ●飲用向け生産量は、ほぼ前年度並み● ● ●

 豪州においては、年間生乳生産量のうち飲用に約2割、加工用に約8割が仕向
けられる。デイリー・オーストラリア(DA)によると、2002/03年度(7〜6月)
の生乳生産量は、前年度比8.4%減の1,032万6千キロリットルであった。この
うち飲用向けは、前年度比0.8%増の190万9千キロリットルとなり、総生乳生
産量に占める割合は、18.5%と前年度より1.4ポイントの増加となった。一方、
加工向け原料乳の生産量は、前年度比9.9%減の841万7千キロリットルで、飲
用向けの需要は変動が少ないことから、生乳生産量の減少に伴って加工向けが
縮小した形となった(図1)。
図1 途別生乳生産量の推移
資料:ADC「In focus 2002」、DA「Quarterly Statistics」

● ● ●VIC州、加工向け生産量シェア72.6%● ● ●

 飲用向け生産量を州別に見ると、豪州南部に位置し、また消費地でもあるニ 
ューサウスウェールズ州、ビクトリア(VIC)州、クインズランド州で多く、 
それぞれ61万6千キロリットル(総飲用向け生産量の32.3%)、47万3千キロリ 
ットル(同24.8%)、40万3千キロリットル(同21.1%)となった(図1)。こ 
れら3州の割合を合わせると78.2%になり、この3州で総飲用向け生産量の約8 
割を占めていることになる。  また、加工向けの生産量が最も多いVIC州は、 
前年度比12.0%減の611万1千キロリットルとかなり大きく減少したが、総加工 
向け生産量の72.6%を占め依然として最大の生産州となっている。
図2 州用途別生乳生産量(2002/03年度)
資料:DA「Quarterly Statistics」

● ● ●主要乳製品の生産量はすべて品目で減少● ● ●

 主要な乳製品の生産量を見ると、4品目の合計は前年比16.2%減の90万2,953  
トンと大幅な減少となった。内訳を見ると、チーズは36万8,019トン(前年度 
比10.8%減)、次いで脱脂粉乳は21万5,405トン(同17.5%減)、全紛乳は16 
万9,605トン(同28.9%減)、バターは14万8,924トン(同9.3%減)となって 
おり、原料乳の減少から生産が抑制されたと言えよう(図3)。
図3 主な乳製品生産量の推移
資料:DA「Quarterly Statistics」

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