米国の鶏肉の需給動向


◇絵でみる需給動向◇


○2003年1〜7月のブロイラー生産量微減


● ● ●2003年1〜7月はほぼ前年並み ● ● ●

 米農務省(USDA)によると、2003年 1〜7月のブロイラー生産量(可食処理ベー
ス)は、前年同期比 0.1%減の 857万8千トンとなった。生産量は今年に入り前年
同月日を下回って推移してきたが、6月、7月と2カ月連続で前年同月を上回り、1
〜7月では、ほぼ前年並みとなった。年初に懸念されていた低調な生産量も前年並
みとなり、今後、年間では前年を0.6%程度上回る見込みである。

● ● ● ひなふ化羽数が9カ月連続で前年同月を下回る ● ● ●

 生産量に大きく影響するひなふ化羽数は、7月は前年同月比0.4%減の7億 7,360
万羽となり2002年10月以来 9カ月連続で前年同月を下回っている。2003年 1〜7月
では前年同期比 2.1%減の 45億5,951万羽となった。しかし、ブロイラーひなふ化
数を対前年増減率で見てみると、今年1月はマイナス 2%、同3月はマイナス 1.5%、
6月はマイナス0.4%と減少率は縮小している。後述の堅調な需要、収益の増加など
から、ひなふ化羽数は近々のうちに増加に転じるものと思われる。
ひなふ化羽数の推移
資料:ERS/USDA 「Livestock, Dairy and Poultry Outlook」

● ● ● 堅調な需要から純収益も増加傾向 ● ● ●

 ブロイラー卸売価格(12都市平均丸どり価格)は、2003年 1月以降前年同月を上
回って推移している。  主な輸出相手先であるロシアや日本への輸出量は減少して
いるものの中国をはじめとするアジア向けの輸出が堅調なことと国内での牛肉の販
売価格の上昇を受けてその代替え需要が増加していることなどから、今年 1〜 7月
では、前年同期を7.4%上回るポンド当たり60.4セント(キログラム当たり161円:
1ドル=121円)と上昇している。このため、1〜7月におけるブロイラー生産加工業
者の純収益(丸どり1ポンド当たり:可食処理ベース)は、前年同期比 28.0%高の
11.96セント(キログラム当たり32円)と増加した。
ブロイラーの生産コストおよび純収益
資料:ERS/USDA「Dairy, Livestock and Poultry Outlook」
注1:可食処理ベース
 2:純収益は、卸売価格マイナス生産コスト(丸どり)


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