韓国の食肉販売



ひとくちMemo

 韓国の食肉消費量は、経済危機からの復興に伴い近年急速に増加している。2002年 の一人当たりの国民総所得(GNI)は、10,013米ドル(約109万円、1米ドル=109円)、1人当たり年間消費量では、牛肉が53%増の8.1キログラム、鶏肉が45%増の7.9キログラム、豚肉が24%増の17.3キログラムとなっている。93年から10年間で食肉の消費量は10キログラム増加したことになる。また、品目別にみると豚肉が約5割を占め、牛肉や鶏肉の2倍となっている。

 しかし、韓国を訪れた2月下旬は、若者の失業率が8%を超えたという報道も行われ、景気復興にも陰りが見え始めている。また、米国で発生したBSEの影響で韓牛の価格が下落、鳥インフルエンザの発生により鶏肉の買い控えが起きるなど業界は消費拡大対策に躍起となっていた。

 韓国は、面積9万9千平方キロメートル、人口4,779万人(面積は日本の1/4、人口は1/3程度)
 ハナロクラブ良才(ヤンジェ)店(98年オープン1号店)は、農協系韓国産品専門に品揃え、ソウル市内の中心から車で30分程度の中、上流階層がターゲットの倉庫型大型店。現在、グループは卸売り取引所4カ所、小売販売所(大型DS3カ所、スーパーマーケット9カ所、24時間経営ハナロマート24が2カ所)14カ所となっており、2002年の売上高は1兆6000億ウォン(約1億6000万円)小売分門の内訳は、野菜果物が31%、米等穀類35%、肉類16%、魚8%、加工食品等10%、2000年にインターネットショッピングモール開設 http://www.hanaro-club.com/eng/about/about.html

トレーサビリティーの試み

 名品ブランド牛肉:食肉売り場の一角に食肉の履歴が分かる端末が設置されており、パッケージに表示されている9桁の番号(耳標番号)を入力すると、と畜日、格付成績、生産者、出荷者、韓牛戸籍簿、投薬履歴等の情報が次々に表示されてゆく。販売担当者に聞いたところ端末設置後に名品ブランドの売上は50%近く増加したとのこと。全国で唯一のシステムだがさらに推進して行きたいとしていた。価格は1割程度割高。なお、これらの情報はハナロクラブのホームページからも検索可能となっている。



最初の画面で耳標番号を入力。

表示される韓牛戸籍簿の例

 戸籍簿には、耳標番号、飼養者名、生別、生年月日、と畜日、生体重、枝重などが記載されている。
韓牛の販売形態

 牛肉の価格は100グラム当たり特選ロース7,100ウオン(約710円)、ロース6,000ウオン(600円)、カルビ5,500ウオン(550円)、骨付きカルビ3,680ウオン(368円)、足(写真右)、1本46,000ウオン(4,600円)スープ料理の貴重なだしとして珍重されるとのこと。ロースは項靭帯が残されている。また、陳列証明は多くの店舗で赤色が仕様されている。
 韓牛は、骨格は小さいが、粗食に耐え、適度なさしが入るのが特徴、通常の肥育期間は24カ月程度であるが、高い格付等級を目指し肥育期間を延長し、肉としてのブランド化を図る生産者も現れている。




豚肉の販売形態

 棚を占めるパックのほとんどが軟骨の見えるバラのスライスパックとなっており100グラム当たり1,150ウオン(115円)、ロースは1,050ウオン(105円)、ヒレ1,180ウオン(118円)、韓国ではバラの需要が高い。
 鶏肉は鳥インフルエンザの影響で消費が激減したことから安全性のPRのため、業界団体が鶏肉を食べて鳥インフルエンザが発症した場合は20億ウオン(約2億円)を支払うとしたキャンペーンを2月11日から展開中。鶏肉の価格は100グラム当たり手羽元564ウオン(56.4円)、ムネ518ウオン(51.8円)、モモ610ウオン(61円)。

調査情報部 調査情報第1課


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