2002/03年度の粉乳生産量は大幅減


◇絵でみる需給動向◇


● ● ● 乳製品輸出額の6割をアジアが占める ● ● ●

 豪州においてアジア諸国は乳製品の主要輸出先である。デイリー・オーストラリア(DA)によると、2002/03年度の総乳製品輸出額は24億8,700万豪ドル(2,163億7千万円:1ドル=87円)となっている。このうちアジア諸国は64.2%の15億9,700万豪ドル(1,389億4千万円)を占め、アジア諸国向けの半分は粉乳(脱脂粉乳および全粉乳、以下同じ。)となっている(表)。

表 2002/03年度地域別輸出額
(単位:万豪ドル)
資料:DA「In Focus 2003」

● ● ● 生乳生産量の減少から2002/03年度の粉乳生産量は大幅減少 ● ● ●

 2002/03年度の粉乳生産量は、生乳生産量が減少したことから大幅に減少し前年度比22.4%減の38万5,035トンとなった。種類別にみると脱脂粉乳(バターミルクパウダー含む)は同16.3%減の215,430トン、全粉乳は同28.9%減の16万9,605トンとなっている(図1)。

 また、生産量の減少に伴い輸出量も前年度を下回り、粉乳輸出量は前年度をかなりの程度下回る同9.2%減の39万7,232トンとなった。種類別にみると脱脂粉乳が同12.8%減の19万5,679トン、全粉乳が同5.5%減の20万1,553トンとなり、全粉乳が脱脂粉乳を上回る結果となった。全粉乳は同年度の生産量を上回る輸出量となっているが、これは前年度の在庫分を輸出したためである。


図1 粉乳類の生産量と輸出量の推移
資料:DA「In Focus 2003」
 注:02/03年度は速報値

● ● ● 粉乳の主な輸出先はフィリピン ● ● ●

 2002/03年度は粉乳輸出量のうち約8割に当たる31万3,775トン(脱脂粉乳15万9,524トンと全粉乳15万4,251トン)がアジア諸国に輸出されている。粉乳は、特に熱帯地域で還元乳として使用されるのみならず、パン、加工食品などの原材料として利用されている。輸出先では脱脂粉乳、全粉乳ともフィリピン向けが最も多く、1997/98年度以降、輸出相手国第1位となっている(図2)。

 また、生産量や輸出量が年度によって増減している中、着実に輸出量を伸ばしているのが香港向けである。2002/03年度の輸出量は脱脂粉乳が10,515トン、全粉乳14,765トンと粉乳輸出量全体に占める割合はそう多くないものの、この5年間で3倍強の増加となっている。


図2 アジア向け全粉乳輸出量の推移
資料:DA「In Focus 2003」
 注:2002/03年度は速報値


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