2003年の豚肉輸出入ともに史上最高


◇絵でみる需給動向◇


● ● ● 輸出はアジア向けを中心に増加 ● ● ●

 米農務省(USDA)によると、2003年の豚肉輸出量(枝肉重量ベース)は、前年比6.5%増の77万8千トンと昨年を上回り史上最高を記録した。国別に見ると、最大の輸出先である日本は、前年比2.4%増の36万トンとなり、全輸出量に占める割合は前年から1.8ポイント増加して46.3%となった。これは、カナダや日本国内におけるBSEの発生により需要が牛肉から豚肉へ変化したことが要因と考えられている。また、韓国や香港も数量としては大きくないものの、いずれも前年を上回り、アジア市場での躍進が目覚ましい。第2位のメキシコ(輸出量に占める割合20.3%)は、前年比11.5%増の15万8千トン、第3位のカナダ(同11.2%)も1.7%増の8万7千トンとなった。

豚肉輸出量(2003年)
資料:USDA「Livestock, Dairy and Poultry Outlook」

● ● ● 輸入は前年比10.7%の増加 ● ● ●

 2003年の豚肉輸入量は、前年比10.7%増の53万8千トンとなった。国別に見ると、全輸入量の82%を占めるカナダは、為替がカナダドル安で推移したことから、前年比10.4%増の44万トンとなった。デンマークは同2.4%増の5万6千トン、2001年のヨーロッパにおける口蹄疫の発生による一時的な輸入停止前の2000年とほぼ同水準となった。

 また、カナダからの生体豚の輸入頭数は、前年比29.6%増の743万8千頭となり史上最高を記録した。

豚肉輸入量(2003年)
資料:USDA「Livestock, Dairy and Poultry Outlook」

● ● ● 2004年は輸出入ともに増加の見込み ● ● ●

 USDAは、2004年の貿易見通しについて、輸出については、アジア、ロシア、メキシコなどの市場において引き続きカナダやEUといった他の輸出国との厳しい競争が見込まれるものの、前年比2.7%増の80万トンと予測している。一方、輸入についても、前年比4.2%増の56万トンと予測している。

豚肉輸出入量の推移
資料:USDA「Livestock,Dairy and Poultry Outlook」
注 1:枝肉重量ベース
注 2:2003年は速報値


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