ウルグアイ、2003年の牛肉輸出が大幅増加


カナダ・米国の生鮮肉解禁により輸出は好調

 ウルグアイ国立食肉院(INAC)が1月に公表した2003年の牛肉輸出量(冷蔵・冷凍肉および加工肉、製品ベース。)の速報値によると、前年の15万7,432トンから22.6%増加して19万3,006トンとなった。また輸出額は前年の2億6,947万ドル(約299億1千万円、1ドル=111円)から39.4%増加して3億7,574万ドル(約417億1千万円)となった。

 ウルグアイは2001年4月に口蹄疫発生が確認されたことからEU、米国、カナダ、イスラエルなどの主要な牛肉(冷蔵・冷凍肉)輸出市場を失っていた。しかし2001年11月にEUやイスラエルが解禁し、そのほぼ1年後の2002年12月にカナダが、2003年5月末には待望の米国市場が解禁した。INACは2003年の輸出量および輸出額の伸びについて、北米市場への冷凍牛肉輸出が好調であったこと、特に価格の高いカット肉の輸出が輸出額の増加につながったと分析している。

牛の取引価格は6月から上昇

 このような中、牛の取引価格は2003年6月から上昇し始め10月までその傾向が継続した後、低下している。INACによれば価格の上昇は、米国の輸入が6月から開始されたことによるものとし、10月以降の価格低下については、春には牧草の状態が良くなり肥育の仕上げ期間が早まることから、例年価格が下降するとのことであった。なお、1月も引き続き取引価格が低下しているが、米国におけるBSE発生による影響かは分かっていない。

国内市場は安価な輸入牛肉を希望

 一方、1月末の現地報道によれば、ウルグアイの食肉業者は、牛肉の国内消費の減退と食肉専門店の閉鎖を食い止めるため、国内価格より20〜30%安いアルゼンチン産牛肉の輸入を許可するよう農牧水産省に要請しているとのことである。

 食肉販売者連合のアントニオ・グレラ会長によれば、「牛肉価格の上昇により年間1人当たり消費量が90年代末に70キログラムあったものが、現在では44〜45キログラムにまで減少しており、これらに対応するため、昨年10月にアルゼンチンから牛肉60トンを輸入することを政府に要望したが、何ら文書による回答は得られていない」と話している。なおウルグアイ政府は、2003年9月にアルゼンチンの北部で口蹄疫発生が確認されたため、同国からの牛肉輸入を停止している。

 前述のようにウルグアイにおける米国市場の影響は大きく、米国のBSE発生を受け今後ウルグアイのマーケットがどのように反応するのか注目される。




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