2004年1〜6月のブロイラー生産量増加


◇絵でみる需給動向◇


●●●上半期はほぼ前年並み●●●

 米国農務省(USDA)によると、2004年上半期(1〜6月)のブロイラー生産量(可食処理ベース)は、前年同期比3.9%増の754万8千トンとなった。生産量は2003年12月から7カ月連続して前年同月を上回って推移し、年初に懸念されていた低調な生産量も前年並みとなり、2004年通年では5.5%増の1,500万トンを超える見込みとされている。



●●●ひなふ化羽数が10カ月連続で前年同月を上回る●●●

 生産量に大きく影響するひなふ化羽数は、5月は、前年同月比2.3%増の8億972万羽と2003年8月以来10カ月連続で前年同月を上回っている。2004年1〜5月では前年同期比1.9%増の38億5,778万羽となった。ブロイラーひなふ化羽数を対前年増減率で見てみると今年3月ではプラス1.6%、同4月プラス1.7%、5月プラス2.3%と増加率はわずかであるが拡大している。後述の堅調な需要、収益の増加などから、ひなふ化羽数は当分の間増加基調で推移すると思われる。

図1 ブロイラーひなふ化羽数(対前年増減率)
資料:ERS/USDA 「Livestock,Dairy and Poultry Outlook」


●●●堅調な需要から純収益も増加●●●

 ブロイラー卸売価格(12都市平均丸どり価格)は、2003年1月以降前年同月を上回って推移している。好調な国内経済を反映して主な動物たんぱく食品(牛肉、豚肉)の価格は堅調に推移し、中でも鶏肉は特に堅調で、卸売価格も上昇基調で推移していることなどから、今年1〜6月平均では、前年同期を8.2%上回るポンド当たり64.8セント(キログラム当たり約156円:1ドル=109円)と上昇している。このため、1〜6月におけるブロイラー生産加工業者の純収益(丸どり1ポンド当たり:可食処理ベース)は、前年同期比59.2%高の18.14セント(キログラム当たり44円)と増加した。しかし、今後、鳥インフルエンザの発生による輸出相手国の輸入停止措置による輸出向け製品の国内への還流や大豆、トウモロコシなど飼料原料価格の高騰からのコスト増など不安な要因も否定できない。

図2 ブロイラーの生産コストおよび純収益
資料:ERS/USDA「Dairy, Livestock and Poultry Outlook」
注1:可食処理ベース
  2:純収益は、卸売価格マイナス生産コスト(丸どり)

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