2004年1〜4月期の生乳生産量はわずかに減少


◇絵でみる需給動向◇


●●●EU15カ国、前年比1.1%減●●●

 ドイツ市場価格情報センター(ZMP)によると、2004年1月から4月期におけるEU15カ国の生乳生産量(乳業メーカーへの出荷量)は、酪農家戸数および乳用牛の飼養頭数の減少に加え、この期間は生乳生産割当(クオータ)制度における2003/04年度(2003年4月〜2004年3月)の最終四半期を含むため、特にドイツやフランスなど主要生産国を中心に生産者が生乳生産を抑制したため、15カ国全体では前年同期に比べて0.9%減の3,824万トンとなった。


●●●今後も減少の可能性●●●

 生産量を国別にみると、EU最大の生産国であるドイツが前年同期に比べて0.6%減の913万3千トン、ドイツに次ぐ生産国であるフランスでは同0.6%減の804万2千トンとなった。また、バターの生産量が増加しているイギリスでも、最近の生産者価格の低迷などから同3.0%減の467万7千トン、オランダでは同4.5%減の341万2千トンとなった。

 なお、ZMPによると、近年、酪農家などが大幅に減少しているにもかかわらず、EU15カ国における生乳生産はこれまで安定的に推移してきた。しかし、新規加盟国の生乳生産量の増加やユーロ高の傾向がこのまま続けば、生乳・乳製品の域外向け輸出および域内の生産にも影響を及ぼす可能性があると見込んでいる。

表1 EU15生乳生産量
(単位:千トン、%)
資料:ZMP
注1:各年1〜4月期の乳業メーカーに対する生乳出荷量、04年は暫定値。
 2:イタリア、スペイン、ベルギーについては1〜3月期


●●●ポーランドなど順調な新規加盟国の生乳生産●●●

 新規加盟国最大の生産国であるポーランドの2003年12月時点における乳用経産牛の飼養頭数は、干ばつによる飼料供給の減少により前年に比べて3.5%減の286万2千頭となったが、1頭当たりの泌乳量の増加により2003年の生乳生産量は1,180万トンとほぼ前年並みとなった。そのポーランドの2004年1月から4月期における乳業メーカーへの出荷量は、前年同期に比べて6.5%増の236万トンとなった。また、リトアニアやエストニアでも、それぞれ同7.7%増の26万5千トン、同9.8%増の16万8千トンとなった。一方、ポーランドに次ぐ生産国であるチェコでは、同3.0%減の84万7千トンとなった。

 EUへの加盟後、経済が急速に発展すると見込まれる新規加盟国において、酪農部門では生産量、出荷量ともに増加傾向にあるが、小規模な酪農家が中心となっているため乳業メーカーへの出荷率は新規加盟国全体で約72%とドイツ(生産量の約95%)などEU15カ国に比べてかなり低くなっている。一方、2002年の干ばつの影響から小規模農家の離農が加速している。また、ポーランドなどでは加盟後、EUの厳しい衛生基準に適合させるなどの課題が残っている。

表2 AC10主要国の生乳生産量
(単位:千トン、%)
資料:ZMP
 注:各年1〜4月期の乳業メーカーに対する生乳出荷量、04年は暫定値。

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