2003年の牛枝肉価格は全般的に低調


◇絵でみる需給動向◇


● ● ● 2003年に入り低下、後半はほぼ横ばい ● ● ●

 欧州委員会によると、2003年のEU各国の主要と畜場における牛枝肉の加重平均価格(以下、「枝肉価格」という。EUの牛肉民間在庫補助発動に当たっての指標となる。)は、域内の牛肉生産が減少する一方で、牛肉消費が回復傾向で推移したことから介入在庫量がほぼ解消したにもかかわらず、全般的に低調となった。2003年1月の枝肉価格は100キログラム当たり279.6ユーロ(約3万7,700円、1ユーロ=135円)であったが、その後低下し8月以降は265ユーロ(3万5,800円)前後で推移している。

 欧州家畜食肉取引業者連合(UECBV)によるEUの牛枝肉卸売価格(雄牛および去勢牛の価格)も、おおむね同様の値動きの傾向を示している。


図1 枝肉価格の推移

資料:欧州委員会


図2 牛枝肉卸売価格の推移

資料:UECBV

● ● ● 域外向け輸出大幅減や輸入増が原因 ● ● ●

 この原因としては、域外向け牛肉輸出が大幅に減少したことが挙げられる。2003年1月から7月までの輸出量は、前年同期比27.4%減の約22万9千トンとなった。背景としては、これまでEUの域外向け輸出の8割以上を占めていたロシアが、2003年4月から関税割当制度を導入したことなどがある。

 また、域外からの牛肉輸入が増加していることも影響している。1月から7月までの輸入量は、前年同期比8.4%増の約29万6千トンとなった。その8割以上は、ブラジルやアルゼンチンなど安価な南米諸国産が占めている。

● ● ● 2004年の価格上昇の可能性は少ない見込み ● ● ●

 ロシアでは、2009年まで関税割当制度が実施される予定である(2004年のEU(2004年5月にEU加盟予定の中東欧等諸国10カ国を含めた25カ国)枠は、冷蔵・冷凍合計で約36万トン)。また、欧州委員会によると、2004年のEUの牛肉生産量は、域内飼養頭数減少などから引き続き減少する見込みである。また、消費量も減少するがその減少分は少なく、2003年に続きEUでは消費量が生産量を上回る(純輸入国となる)。しかし、この不足分は、主に南米諸国から補われるとみられる。また、ドイツ市場価格情報センターによると、EU加盟予定国からの牛肉が品質などの問題があるものの、これまで以上に域内に流通することが予想されている。このような状況からすると、2004年にEUの枝肉価格が上昇する可能性は小さいとみられている。


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