第1四半期の生乳生産量、すべての州で前年同期を下回る


◇絵でみる需給動向◇


● ● ● 第1四半期生乳生産量は1割弱の減少 ● ● ●

 デイリー・オーストラリア(DA)によると、豪州における2003/04年度の第1四半期(2003年7〜9月)の生乳生産量は、前年同期比8.2%減の237万1千キロリットルとなった(図1)。生乳生産量を州別に見るとすべての州で前年同期より減少している。生乳生産量の最も多いビクトリア州(前年度は生乳生産量全体の64%を生産)の減少が大きく影響しており、同10.4%減の149万2千キロリットルとなっている。また、ニューサウスウェールズ州では同3.6%減の32万8千キロリットル、クインズランド州では同6.0%減の18万5千キロリットルとなった。

図1 州別第1四半期(7〜9月)生乳生産量の推移

資料:ADC、DA「Quarterly Statistics」

● ● ● 乳製品生産量も減少 ● ● ●

 生乳生産量の減少は、乳製品生産にも影響を及ぼしている。加工用に向けられる生乳量も減少したため、同期における乳製品生産量はホエイパウダーを除くすべての品目で前年同期を下回った(図2)。中でもバター(バターオイル含む)が大幅に減少しており、28.1%減の26,850トンとなっている。また、最も生産量の多いチーズは、主要製品であるチェダーチーズの大幅な減産から7.0%減の75,112トンとなった。

図2 第1四半期(7〜9月)乳製品生産量の比較

資料:ADC、DA「Quarterly Statistics」

● ● ● 年度後半に生乳生産の増加を見込む ● ● ●

 DAは、大部分の酪農地帯が2002/03年度の干ばつの影響から回復しつつあるものの、乳用牛の状態や減少した頭数を回復するには時間を要するとしている。また、前年度は飼料価格が高騰したため生産農家は負債を抱えており、今年度の必要な投資とのバランスに工面しなければならないと述べており、経営面は引き続き苦しい状況が続くものとみられている。しかしながら、現在の良好な気候が続けば年度後半の生乳生産量は増加すると見込んでいる。

 12月に公表された豪州農業資源経済局(ABARE)の需給予測では、2003/04年度(2003年7月〜04年6月)の生乳生産量は前年度比0.7%増の1,039万キロリットルとほぼ前年度並みを予測している。乳牛の飼養頭数は同0.2%減の206万4千頭と横ばいであるが、乳牛1頭当たりの年間平均乳量が同0.9%増の5,035リットルとなることから、年度後半の生乳生産量の増加を見込んだ予測となっている。



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