世界の期末在庫は28年ぶりの低水準


◇絵でみる需給動向◇


● ● ● 米国の生産見込みは前月からわずかに下方修正 ● ● ●

 米農務省(USDA)が2004年1月に公表した予測によれば、2003/04年度(10月〜翌年9月)における米国の穀物生産量は、全体で2億7,550万トンとなり前月から400万トン減少となった。トウモロコシとソルガムの生産は1,100万ブシェル(279万トン)増加し、飼料供給は3億880万トンと予測されている。

● ● ● 米国の穀物需要量が増加 ● ● ●

 2003/04年度の需要量をみると、トウモロコシ、ソルガム、大麦、エン麦の主要な飼料穀物と小麦は1.4%増の1億5950万トンとなり1頭当たりの年間穀物消費量は1.78トンとなっている。これは2004年の肉牛生産は減少するものの、豚と鶏肉の生産が増加するとされるためである。畜種別の需要量は、牛肉は0.4%減の254億ポンド(1,152万トン)、豚肉は0.7%増の200億ポンド(90万トン)、ブロイラーは3%増の336億ポンド(152万トン)、生乳生産が0.8%増の1,712億ポンド(776万トン)と見込まれている。

● ● ● 国際市場の動き ● ● ●

 2003/04の米国以外の穀物生産予測は6億800万トンとなり前月予測から300万トン増加している。主な増加はブラジル、ロシア、インドである。一方減少はアルゼンチン、南アフリカとなっている。トウモロコシ生産は100万トンを超え小麦生産は200万トンとされライ麦は100万トンの減少と予測されている。

 トウモロコシを国別に見るとブラジルが250万トン増加、しかしながら大豆の価格が引き続き高騰しているためトウモロコ作付けは増加傾向にあるものの昨年を下回っている。また干ばつの影響もあり100万トンの減少予測となっている。一方、2003/04年度のトウモロコシの消費量は、南米の鶏肉生産の増加に支えられ300万トン増加し、4億3,200万トンと予測されている。

 このような中で世界の飼料穀物の期末在庫は、米国のトウモロコシ在庫量の減少の影響で1億トンを下回り1975/76年度来の28年ぶりの低水準となることが見込まれている。


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