伯農務省、牛枝肉の格付制度に関するコメントを募集


官報で牛枝肉格付制度に関する意見を募集

 ブラジル農務省(MAPA)農牧防疫局(SDA)は12月22日、全国規模の牛枝肉の格付制度に関する訓令案に関し、同日より90日間にわたりパブリックコメントを募集すると官報に公告した。また、MAPAは、パブリックコメントの受付期限後、これらの提案を検討・分析し、同制度を制定する訓令を公布するとしている。

全国のと畜牛に格付けを義務付ける方針

 今回の公告によると、同訓令案の概要は、以下の通りである。

1 全国の連邦検査型(SIF)施設(「畜産の情報」海外編2003年9月号P64を参照)でと畜される牛に対して、2で示した審査項目を対象とした格付けを義務付ける。

2 枝肉の格付けは、と畜の過程において、民間の負担により、MAPAが認定した格付員によって行われる。なお、審査の項目と基準は次の通りである。

 (1) 家畜の性別を次の通り区分する。
   (M)雄、(C)去勢雄、(F)若齢雌、(FV)と畜用雌
 (2) 家畜の発育度を歯の検査により次の通り区分する。
   (d)乳歯、(2d)永久歯2本、(4d)永久歯4本、(6d)永久歯6本、(8d)永久歯6本以
 (3) と畜後間もない枝肉をキログラム単位で計量する。
 (4) 枝肉の仕上り具合を、枝肉の特定の箇所(第6、第9、第12肋骨)における皮下脂肪の厚さにより、次の5等級に区分する。

    (1)(脂肪が)ないもの
    (2)わずかしかないもの−厚さ1〜3mm
    (3)標準のもの−厚さ3〜6mm
    (4)均等のもの−厚さ6〜10mm
    (5)かなり多いもの−厚さ10mm以上

3 半丸枝肉、四分体、部分肉などは、2の(1)、(2)、(3
)により区分された上で、半丸枝肉、四分体、骨付き部分肉はスタンプが押され、骨なし部分肉はラベルが添付される。これらの表示は、加工用または小売用として販売されるまで保持される。

4 MAPAに2に従って格付けを行う正規格付員の登録などを行うための機関(ROC/MAPA)を設ける。ROC/MAPAは、生産者、食肉処理加工業者、小売業者、研究機関、教育機関の各代表者と委員長となるSDAの動物製品検査部(DIPOA)部長の6名から構成される運営委員会によって運営される。

5 ROC/MAPAにより登録された正規格付員のみが2の格付けを行うことができる。

6 自己の製品の格付けを希望する事業体は、そのための計画書がROC/MAPAによって承認されている場合に限り、2に定められた基準に従い格付けを行うことができる。ただし、この場合も格付けは正規格付員によって行われなければならない。

7 正規格付員は、家畜ごとの枝肉評価結果を表記した格付評価書をロット単位で発行する。同評価書は同じ内容のものが4枚発行され、食肉処理加工業者、家畜の供給者(生産者など)、連邦検査官、正規格付員がそれぞれ保管する。

8 正規格付員は毎月5日までに、一定の期間に行った格付けの結果を要約した報告書をROC/MAPAに提出する。

9 MAPAはDIPOAを通じ、訓令の公布後60日以内に、格付制度の施行細則を規定し、運営・監査基準、国内および第3国の食肉処理加工業者が本制度下に入る期限を定める。

10 同制度はブラジルが輸入国からの製品に対して行う要求事項となり、世界貿易機関(WTO)の規則および関連法律に従うものとする。

11 DIPOAは、訓令の公布後60日以内に、同制度で適用される格付けのラベル表示の方法などを規定する。

12 同制度の格付けに、牛の個体識別制度

  (SISBOV、本紙通巻第538号を参照)により登録された家畜の個体情報を利用することが認められる。

訓令案に対して業界から数多くの意見

 今回の公告に当たりロドリゲス農相は、「ブラジルでようやく全国規模の牛枝肉の格付制度が導入される。これによって高い肥育技術をもつ生産者が恩恵を受けることになる」と述べた。また、DIPOAの関係部署によると、「同制度の導入により、食肉を標準化し、枝肉価格の差別化が進むことを期待している。今回の訓令案には不明瞭な点もあるが、同訓令案に関し業界から数多くの意見が出されており、こうした意見を訓令に反映させたい」としている。


元のページに戻る