生産量は回復、価格は下降傾向


◇絵でみる需給動向◇


●●●素ひな輸入動向●●●

 タイ農業協同組合省による最近の素ひなの輸入状況としては、グランドペアレントストック(GP)では今年2月に輸入実績がゼロとなり、その後前年同月に比べ10〜20%程度、羽数にして7千〜2万8千羽程度で低く推移した。ペアレントストック(PS)については月毎の輸入量の変動が激しく、月当たり7万〜18万羽と乱高下している。

 これら素ひなの輸入量は、主な輸入先である北米でHPAI発生が確認され、タイ政府による輸入停止措置が採られたことから3月以降、米国からの素ひな輸入は停止している。現在は、代替調達先としてイギリスおよびフランスからの輸入量が増加している。

 一方、ひなふ化羽数に関しては昨年は月当たり8千万羽台で安定的に推移していたものの、今年2月以降前年同月を下回り、3月にはここ10年来最低水準である3千8百万羽まで減少した。しかし、その後5月には6千5百万羽まで回復し、これに伴い3月以降上昇し続けていたひな価格が5月の9.8バーツ(27円:1バーツ=2.7円)をピークに下降傾向に転じた。

図1 ひなのふ化羽数と価格の推移
資料:タイ農業協同組合省農業経済局

 ブロイラー生産量(羽数)については3〜4月の3万羽台を底に5月以降6万羽台に回復し徐々に増加しているものの、年明け以降飼料費および燃料費が上昇したことにより、1羽当たりのブロイラー生産費は5月にピークの54バーツ(146円)にまで上昇した。

 6月に入って生産費を構成する主な要因であるひな価格、飼料価格、燃料価格などが下落したため、生産費は下降傾向に転じている。

 ただし、ブロイラー成鶏用配合飼料価格は昨年7月以降1キログラム当たり9.3バーツ(25円)を維持していたものが今年4月に9.5バーツ(26円)に上昇、5月以降10バーツ(27円)となっており、育ひな用配合飼料価格や世界的な原油価格が値上がり傾向であり、今後短期的に生産費を押し上げる可能性がある。

図2 ブロイラー生産費の動向
資料:タイ農業協同組合省農業経済局

●●●価格は下降傾向へ●●●

 3月以降農家販売価格は上昇し、4月には1キログラム当たり34バーツ(92円)まで上昇したものの、5月以降は下降に転じている。ただし農家収益(農家販売価格―生産費)としては3月以降収益分岐点を上回っている。

 これに伴い、5月以降はバンコク市場における鶏肉卸売価格および同小売価格も下降傾向で推移している。

図3 農家販売価格の推移
資料:タイ商務省

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