フィッシャー・ボエル委員候補、CAP改革を最優先に位置付け


各委員候補へヒアリング

 欧州議会は9月27日から10月8日の日程で、欧州委員候補の承認の可否を決めるため、24人の委員候補それぞれの個性についての見識を得るとともに、各委員候補それぞれの担当分野での今後5年間における優先事項などについての意見交換を行うヒアリングを実施した。

 このヒアリングに先立って、欧州議会は各委員候補に対し、9月初めに質問事項を書面にて示していたが、9月中旬、欧州議会は各委員候補から提出された質問事項に対する回答書を公表している。

 なお、フィッシャー・ボエル農業・農村開発担当委員候補は、共通農業政策(CAP)改革の目的を達成することを最優先事項であると回答している。

フィッシャー・ボエル委員候補の回答

 各委員候補には、それぞれに共通する質問事項とともに、各委員候補の担当分野に応じた特定の質問事項が示された。フィッシャー・ボエル委員候補には、CAP改革に関することなど全部で25の質問事項が示されていた。

 同委員候補の主な回答は次の通り。

 (1)優先事項について

  第一は、CAP改革の目的を達成することである。改革の実施が最重要事項であり、実施状況を厳密に監視する。また、砂糖の分野が、改革を必要とする最後の分野の一つであり、このことを緊急事項とする。

  第二は、農村開発政策である。環境や、食品の安全と品質に対する市民の要求にこたえるため、改革後のCAPなどにおいて、農村開発政策がより重要な役割を果たすこととする。

  第三は、EU拡大であるが、ブルガリアとルーマニアの農業分野についての議論は、すでに合意に達しており、これらの国の2007年の加盟に向けての準備を進める。

  第四は、世界貿易機関(WTO)についてである。本年7月に合意した枠組みの詳細について議論する必要がある。ドーハ・ラウンドの完結のため、積極的かつ建設的に参加する。

 (2)CAP改革について

  一部の直接支払いを継続するなど加盟国により、CAPの内容が異なることとなるが、そのことにより、加盟国間、地域間に大きな競争わい曲性が生じるとは考えていない。なお、部分的な実施による市場や構造改革への影響についての報告書が、遅くとも2009年12月31日までに出されることとなっている。

 (3)GM作物について

  EUにおいては、いかなる形態の農業も排除されるべきではない。問題は、EUの表示とトレーサビリティに関する規則に従って、農家が遺伝子組み換え(GM)作物と非GM作物を選択可能になることを確保することである。GM作物と非GM作物の共存は人の健康などに関する問題ではなく、混入した際の経済的なダメージ、また、適切かつ効果的な混入防止策に関する問題である。

 (4)輸出補助金の撤廃について

  貿易わい曲的な輸出補助金や他の施策の撤廃などは発展途上国の利益の観点から、農産物貿易の分野において明らかに一定水準の効果がある。

  また、すべての形態の輸出支援に対する同等の規律(パラレリズム)を課すというバランスの取れた解決策を見つけることは可能である。


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