栄養ガイドラインの見直しの作業が進められる  ● 米 国


栄養ガイドライン顧問委レポートへの意見公募を開始

 2005年版栄養ガイドライン顧問委員会レポートが8月27日に公表され、9月27日までの1カ月間意見公募が行われることとなった。同レポートは、米国農務省公衆衛生局の国民の栄養についての監視と研究に関する法律(National Nutrition Monitoring and Related Research Act (1990))に基づき5年ごとに「米国人のための栄養ガイドライン」の見直しを行うこととされており、前回の2000年の見直しから5年が経過するために進められてきた作業を総括したものである。また、近年米国では肥満に関連した死因が上位を占めるようになっており、貧困層のファーストフード依存による肥満の増加や若齢層の炭酸飲料・スナック依存などの食生活の変化も社会問題として顕在化しており、今回の栄養ガイドラインの改訂は注目を集めている。今回のレポートでは、顧問委員会は以下の9つを助言の柱としている。

多様な食品の摂取

 エネルギー摂取量に配慮しつつ、基本的食品群の中から様々な食品を摂取すること。ビタミンA、E、C、カルシウム、カリウム、マグネシウムおよび食物繊維の消費を増加させる必要がある。特に、出産期の女性は、肉、鶏肉、魚、貝などの鉄分に富んだ食事などをすることにより鉄欠乏症となるリスクを減ずることができる。

体重の制御のためのカロリー摂取の管理

 摂取カロリーを健康的に減らすため、必須栄養素を含まない飽和脂肪酸、糖分および酒類の摂取を減らすことが推奨される。1日当たり50〜100カロリーを控えることで体重の増加を抑制することが期待される。

毎日の適度な運動の継続

 体重増加を抑制する上で、毎日30分から1時間の適度な運動を行うことが推奨される。持続的な減量のためには1時間から1時間半の運動が推奨される。

物、野菜、全粒小麦、無脂肪または低脂肪乳の毎日の摂取を増加

 果実、野菜、全粒小麦および牛乳は炭水化物を含む食品であり、すべてが健康な食事のために重要である。牛乳については、1日当たり1,600キロカロリー以上必要な者は、3カップ以上の低または無脂肪乳、またはこれに相当する乳製品を摂取することが推奨される。1,600キロカロリー以下の者は2カップ以上が目標である。

脂肪の選択的な摂取

 成人については、飽和脂肪由来のカロリーを10%減少させ、コレステロールの1日当たり摂取量を300ミリグラムとし、かつ、LDLコレステロールの1日当たり摂取量を130ミリグラムとすることが推奨される。トランス脂肪の摂取はエネルギー摂取量の1%以下に抑えるべきである。

炭水化物の選択的な摂取

 炭水化物の推奨される摂取量は総エネルギー摂取量の45〜65%である。

低塩食品の選択

 塩化ナトリウの摂取量を成人で1日当たり摂取量を2,300ミリグラム以下に減らし、カリウム塩に富む食品の摂取に努めることが推奨される。

酒類を摂取する場合には適量とすること

 アルコール飲料の摂取に際しては、分別をもって適度とするべきである。また、禁酒は重要な選択肢である。

食品を衛生的に保管・取り扱うこと

 食品安全上の最大の課題は微生物による食中毒である。家庭において食中毒による問題の発生を防止する上で最も望ましいのは、(1)手や野菜、果物を良く洗浄すること、(2)買い物や食事の支度、貯蔵段階において原材料、調理済み品、既に食せるものを仕分けること、(3)食品を安全な温度で調理すること、(4)腐りやすいものは迅速に冷却すること−である。


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