イギリス、飼養頭数増加を予測


◇絵でみる需給動向◇


● ● ● 2004年のイギリスの飼養頭数は増加 ● ● ●

 欧州統計局(EUROSAT)が1月に公表した「2004年の(5、6月)時点におけるEU牛飼養頭数と2005年の牛出荷予測」によると2004年はEU-25で牛飼養頭数が前年比1.6%減の8,868万頭となった。EUの国別牛飼養頭数が多いのは、フランス1,965万頭(前年比2.0%減)、次いでドイツ1,320万頭(同3.3%減)、イギリス1,055万頭(同0.3%増)となっており、この3カ国でEU-25に占める割合は49%、EU-15では同55%となっている。また、飼養頭数が前年を上回ったのはイギリスとアイルランドの2カ国のみである。

EUの主要国別牛飼養頭数の推移
資料:欧州統計局
注 :計は推計値


● ● ● 2005年後半、イギリスのOTM対策は廃止の予定 ● ● ●

 イギリス環境・食料・農村地域省(DEFRA)は3月8日、30カ月齢超(OTM)の牛の処分対策の改正案を公表した。イギリスでは現在、BSE対策の一つとして、OTMの牛の処分対策に基づき、と畜時の月齢がOTMの牛については、食肉として市場に出回ることがないよう、と畜後焼却処分している。今回公表された改正案については、一般からの意見募集を5月末日まで行うこととしており、OTM対策の変更は、本年後半までは行われず、また、イギリス産牛肉のEUへの輸出に関する規制は、本年遅くまで変更されないとしている。

 

● ● ● OTM対策の廃止により国内向け供給量が増加 ● ● ●

 イギリス食肉家畜委員会(MLC)によれば、2004年のOTMの牛のと畜頭数は前年を11%上回る80万3千頭に達しておりイギリスのと畜頭数に占める割合は35%となっている。仮に2005年秋にOTM対策が廃止されれば2005年は7万5千トン、2006年には18万トンがイギリスの牛肉生産量に加えられることとなると予測している。また、現在事実上停止しているEU域内に対する牛肉輸出に対しても再開に向けて準備を開始するとしている。EUでは、2005年に加工向け牛肉などの供給不足が予想されるため、イギリスではEU域内市場向け牛肉輸出の期待が高まっているとしている。

イギリスの国別OTM対策実施頭数
資料:イギリス食肉家畜委員会

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