2004年のブロイラー輸出はやや減少


◇絵でみる需給動向◇


● ● ● 2004年輸出量は前年比3.1%減 ● ● ●

 米国農務省(USDA)によると、2004年のブロイラー輸出量(可食処理ベース)は、2004年当初米国で発生した鳥インフルエンザの影響や2004年前半にブロイラー価格が高値で推移したことから、年前半では前年を大幅に下回って推移したものの、8月以降は前年の水準を超えるまで回復し、2004年全体では前年に比べて3.1%減の216万2千トンとなった。

 輸出国別にみると、ロシア向けが最大で、前年比3.1%増の68万2千トンと輸出量全体の約3割を占めた。その他の主要輸出国では、メキシコ向けが前年比18.0%増の19万5千トン、カナダ向けが同6.8%増の9万8千トンとなった。また、数量としてはそれほど大きくないもののルーマニア向けが同57.5%増の6万7千トン、リトアニア向けが同446.3%増の6万5千トンとその増加が顕著であった。

 一方、鳥インフルエンザの発生により輸入停止措置が採られた影響から、香港向けが前年比56.0%減の11万9千トン、また日本および中国向けがそれぞれ同33.2%減の3万1千トン、同87.4%減の1万6千トンと大幅に減少した。

ブロイラー国別輸出量(2004年)
資料:USDA/ERS「Livestock, Dairy and Poultry Outlook」
注 :輸出量は可食処理ベース


● ● ● 輸出価格は19.7%高 ● ● ●

 このように輸出量がやや減少する中、2004年の輸出価格(輸出額を輸出量(製品重量ベース)で除したもの)をみると、2004年前半に高値で推移した国内のブロイラー価格の影響から、輸出価格は上昇傾向で推移しており、2004年の平均輸出価格は前年比19.7%高の1トン当たり802ドル(85,012円、1ドル=106円)、また、輸出総額は同16.0%増の17億3,390万ドル(約1,838億円)と大幅に上昇した。平均輸出価格を国別にみると、日本向けが前年比0.6%高の同1,003ドル(同106,318円)、ロシア向けが同29.9%高の同721ドル(同76,426円)、香港向けが同4.9%安の同713ドル(同75,578円)となった。

ブロイラー輸出価格の推移
資料:USDA/FAS「Export and Import Trade Reports」
注 :輸出価格は輸出額を輸出量(製品重量ベース)で除したもの


● ● ● 2004年輸出量は生産量の14.2%程度 ● ● ●

 また、2004年のブロイラー生産量に占める輸出量の割合をみると、2004年全体では前年比7.4ポイント減の14.2%と低水準なものとなった。USDAによると、2005年のブロイラー輸出は、(1)拡大する国内需要を背景に安定的に推移する国内のブロイラー生産、(2)輸出各国での輸入停止措置解除、(3)近年のドル安傾向−などから今後増加傾向で推移し、2005年の輸出量は前年比5.4%増の228万と過去最高となった2001年に匹敵するものになると見込まれている。

ブロイラー輸出量の推移
資料:USDA/ERS「Livestock, Dairy and Poultry Outlook」
注 :輸出量は、可食処理ベース

元のページに戻る