カナダ、米国からの生体牛などの輸入規則を公表


98年以降に生まれた生体牛などが対象

 カナダ食品検査庁(CFIA)は1月31日、2003年12月の米国でのBSE感染牛の確認以降、停止されていた米国からの生体牛などの輸入解禁に係る規則案を公表した。CFIAでは、国際機関の家畜衛生に係るガイドラインを基に輸入解禁対象の規則を定めたとし、併せてこの規則案が、国民と家畜の健康を守るために科学的見地に立った国際基準に基づき制定されているカナダのBSE対策と整合しているとしている。

 規則案の公表に対しミッチェル農業・食品大臣は、「われわれのBSEへの対応は、今後も科学に基づいたものでなくてはならない。そして、科学は安全な貿易を可能にし、適宜・適切なBSEの予防措置を引き続き実施できることを明らかに実証する。米国とカナダが受け入れている国民と家畜の健康のための一貫した措置は、今後の両国の市場の完全な復興に向け動き出すことを可能にするものである」と述べた。

 今回の規則案で、輸入解禁の対象となっている主な事項は次のとおり。
 
・1998年1月1日以降に生まれた生体牛(バイソン、バッファローを含む)

・牛の特定危険部位(SRM)を除去した後、製造加工されたすべての月齢を対象と する食肉製品

・繁殖用の精液採取のための雄牛

・米国においてアルゼンチン、オーストラリア、ブラジル、カナダ、ニュージーランド(NZ)およびウルグアイを原産国とする食肉から製造された食肉製品

・アルゼンチン、オーストラリア、ブラジル、NZおよびウルグアイを製造加工国とする米国経由で輸送される食肉製品

・家畜の頭部以外から加工された皮革および革製品


反すう動物由来の家畜飼料などは停止

 一方で、反すう動物由来の家畜飼料原料およびこれら原料が含まれる家畜飼料、反すう動物由来の肥料原料およびこれら原料が含まれる肥料、牛のSRMおよびこれらが含まれるあらゆる原料の輸入は今後も停止される。

 CFIAでは、この規則案を官報に掲載するとともに、30日間のパブリックコメント募集期間を設けるとしている。


◎FSIS、海外家畜疾病予防の指示書を発出

 米国農務省食品安全検査局(USDA/FSIS)は1月26日、FSIS公衆衛生獣医師(FSIS/PHV)に対し、家畜が海外家畜疾病(Foreign Animal Disease: FAD s )に感染したと思われる事例が発生した場合にどのように対応すべきかを説明する 指示書を発出した。

 指示書では、FAD s は、衣服や靴などを介して無意識のうちに国内に持ち込まれることがあるとし、FSIS/PHVは、(1)食肉処理施設などで大量死、原因不明の流産などが発生、(2)死亡直前の状況として、小胞・水痘などや、急性呼吸不全の症状を発症、(3)病名が特定できなかった−などの場合、FAD s である可能性を認識する必要があるとしている。その上で、これら家畜に関する情報について、速やかに近くのFSIS/PHV地域事務所に連絡することとしている。

 FSIS/PHVでは、FAD s のまん延は、食品価格の高騰、農家数の減少および畜産物貿易の崩壊など米国経済に大きな打撃を与えるものとなることから、これらの予防は非常に重要なことであるとしている。

 


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